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たった一人の巣立ち「上級生や下級生が支えてくれた」 茨城で卒業式

閉校する猿田小でたった一人の卒業生となった安達鴻輝さん=19日午前、桜川市猿田(谷島英里子撮影)
閉校する猿田小でたった一人の卒業生となった安達鴻輝さん=19日午前、桜川市猿田(谷島英里子撮影)

 卒業式シーズンがピークを迎えた19日、茨城県内では22市町村計202の小学校で式典が挙行された。多くの学校で新型コロナウイルス感染拡大を防ぐために時間を短縮したり、参加人員を制限したりといった対策が取られた一方、地域の少子化のため、たった1人の卒業生を送り出して長い歴史に幕を閉じた小規模校もあり、児童の巣立ちを祝うさまざまな光景が各地で見られた。(篠崎理、谷島英里子)

 児童数減少のため3月末で閉校し、147年の歴史に幕を閉じる桜川市猿田の市立猿田小で最後の卒業式が行われた。6年生は安達鴻輝(こうき)さん(12)ただ1人。同校で1221人目の卒業生となった。

 猿田小は明治6年に松田小として開校し、昭和30年に町村合併で猿田小と改称。少子化により、今年度の児童数は26人まで減少して3、4年生と5、6年生は複式学級となっていた。4月から市立羽黒小(同市友部)と統合される。

 コロナ禍での卒業式となったが、児童数が少ないことも考慮され、後輩たちも卒業式に出席。マスクを着用し、間隔を取りながら椅子に座り、安達さんの巣立ちをみんなで祝った。

 田部井悦子校長(55)は式辞で「猿田小の歴史と伝統に区切りをつける1年となった今年度、頼りになる、核となる存在でした。胸を張って飛び立ってください」との言葉を安達さんに送った。

 安達さんは「同級生がいない僕が寂しいと思ったとき、上級生や下級生が支えてくれました。感謝の気持ちでいっぱいです」と思い出の詰まった学び舎に別れを告げた。

 取手市井野台の市立寺原小(児童377人)では82人が卒業。会場の体育館には消毒液が置かれ、体温などを記載する健康観察カードの提出を保護者にも義務付けるといったコロナ禍での対策を施した式典となった。

 昨年の卒業式から後輩児童はビデオメッセージのみでの参加となり、保護者の出席も2人までに制限。来賓は出席せず、式の時間も従来の90分を50分に短縮した。校歌も斉唱できないため、数日前から6年生に向け、給食時間に校内放送で懐かしい校歌を流した。

 自身もこの3月で定年退職となる下田悟(さとし)校長(60)は「今年は新型コロナと向かい合い、混乱を乗り越えて助け合い、心の大切さを知った。多くの学びの場となったはずだ。この経験を十分に生かしてほしい」と6年生へエールを送り、一人一人に卒業証書を手渡した。

 卒業生の吉野郁哉(ふみや)さん(12)は「コロナで大変な中でも、いい思い出はたくさんある。この学校で過ごせてよかった」と話した。

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