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共生は「他者」への礼儀から 飯山陽さん新作『イスラム教再考』

イスラム思想研究者の飯山陽氏
イスラム思想研究者の飯山陽氏
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 信仰者が世界で18億人といわれるイスラム教。仏教、キリスト教と並ぶ三大宗教に位置づけられるが、それは「穏健な宗教」と伝えられるようなものなのか。イスラム思想研究者の飯山陽さんは新著『イスラム教再考』(扶桑社新書)で、イスラム教をめぐる通説を問い直し、イスラム教徒とのあるべき共生の道筋を示した。

 「日本では多文化共生こそが日本の未来の理想像だと主張されるが、大量の移民を受け入れ、多文化共生をいち早く試みたドイツやフランスの首脳は多文化主義の失敗を認めている」

 最も訴えたかったのは多文化主義の危険性だ。「最新の世界価値観調査で日本人の55・6%が『移民は国の文化的多様性を強化する』と回答しているが、その実態は十分に理解できていないようだ」という。

 「外国人が近所に住んで片言の日本語であいさつを交わすとか、さまざまな国の料理を提供するレストランができて世界のグルメが楽しめるといった世界ではない。日本語も日本の常識も通用しない他者の文化が常識として通用する“並行社会”が形成される」

 多文化共生とはそうした「緊張感をはらむ切実な問題」とし、その実態を象徴する事例を多く挙げた。

理解への意欲

 「理解できないものを理解したいという欲が研究の原動力です」。子供のころから世界の歴史や思想に興味があったが、最も理解できなかったのがイスラム世界だった。やがて大学でのイスラム法研究にたどり着く。イスラム教の理解に欠かせないからだ。

 日本ではスーフィズム(神秘主義)がイスラム教の中核であるという誤解が広まっているが、イスラム法こそがイスラム教の教義をつかさどり、イスラム社会の性質を決定づけるとともに、教徒の人生で欠くことのできない身近なものであるという。

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