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都内の地域間で感染減少に濃淡 風評被害も懸念…対策にジレンマ

 緊急事態宣言が21日までで解除見通しとなる中、新型コロナウイルス感染拡大の火種がくすぶる地域が自治体の一部に偏り始めていることが17日、東京都の市区町村別の感染者データの分析で分かった。専門家は積極検査により地域や対象を絞った対策の必要性を提言するが、対策によっては感染の火種を他の地域に広げたり、風評被害を生む結果にもなりかねず、自治体は難しい判断を迫られている。(荒船清太)

 都が毎日公表している市区町村別感染者数を基に、宣言直後の2週間(1月7~21日)と直近の2週間(3月1~15日)で、地域ごとの10万人当たり新規感染者数の推移を比べた。分析幅が2週間のため、通常は1週間当たりで判断するステージ3、ステージ4の基準は通常の2倍とした。

 都内では宣言直後の2週間は島嶼(とうしょ)部を除く全域でステージ4(爆発的感染拡大)相当の10万人当たり50人以上の新規感染者が発生していたが、直近の2週間ではゼロに。ステージ3(感染急増)相当の10万人当たり30人以上の地域は23区が7区、多摩が6市村の計13市区村になり、一部の地域に偏っていた。

 「江戸川区民の陽性者数が増えています」。新規感染者数がステージ3相当の江戸川区ではサイト上で注意を喚起している。10日からは感染経路の2割を占める飲食店の多い小岩地区で、居酒屋やカラオケ店など約800店の従業員へのPCR検査を無料で始めた。無症状感染者をあぶり出すためだ。

 一方、全体を統括する都は今後の対策に悩む。感染が収まった地域では飲食店の時短要請に抵抗が生じることも予想され、担当者は「昨年は要請対象から外した地域に人が流れ込んだ例もあった。都内市区町村でも4都県でも、対策の整合性を合わさないと、かえって感染を広げる可能性もある」と危惧する。

 国際医療福祉大の和田耕治教授(公衆衛生学)は「感染者が減り切らない地域では見えないクラスター(感染者集団)が発生している可能性がある」と指摘。「地域と感染者の年代や行動から対象を絞った対策が重要なフェーズに入ってきているが、こうした情報が差別や偏見を生むことがないようにし、PCR検査などを受けられる機会を提供していく丁寧な対応が求められる」としている。

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