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【主張】日医工に業務停止 後発薬の信頼を取り戻せ

 後発医薬品の最大手「日医工」が製造販売した薬剤をめぐり、法令違反があったとして、富山県は同社に対して医薬品医療機器法に基づく業務停止命令を出した。

 国から承認を受けたのと異なる手順で薬剤を製造するなど、過去約10年にわたって不正を続けていたという。生命や健康に関わる医薬品の信頼を根本から揺るがす事態である。

 県などの調査を受けて昨年4月以降、同社は75品目で自主回収を繰り返していた。健康被害は確認されていないというが、徹底した追跡調査が欠かせない。

 後発医薬品は特許が切れた先発医薬品と同じ成分でつくる。価格が安く、政府も医療費抑制と患者負担の軽減に向けて普及を進めているが、最近も小林化工が原薬を取り違えて深刻な健康被害が発生したばかりだ。後発薬の信頼を取り戻すため、業界を挙げて品質管理体制を立て直す必要がある。

 県などによると、日医工は長期保存の品質を確認する安定性試験や、作用を調べる品質試験で不合格となった商品を廃棄せず、国に認められた手順とは異なる製法で再加工して出荷していた。

 同社は短い工程の中で医薬品を多品種少量生産しており、不合格となった商品を廃棄すると欠品が生じる恐れがあったという。

 それを避けるため、社内で不合格品を出荷するための会議を開くなど、組織ぐるみで不正を続けていた。極めて悪質である。

 後発医薬品は需要が急増する一方、業界には中小メーカーが多いために品質管理が追いついていないとの指摘がある。水虫などの皮膚病薬に睡眠導入剤が混入した小林化工の場合、一時的な意識消失などの被害が相次ぎ、自動車事故など深刻な事例も報告されている。同社も決められた手順で医薬品を製造していなかった。

 小林化工に続いて最大手の日医工も製造業務の停止という処分が下されたことで今後、一部の薬剤が供給不足に陥る可能性もあるという。そうなれば患者にも影響が及ぶ。業界他社による代替生産などの仕組みを早急に確立してもらいたい。

 違反が相次ぐ後発医薬品に患者が不信を抱けば、利用が進まずに医療費抑制や患者負担の軽減につながらない。政府も法令順守の徹底を厳しく監視し、医薬品の安全確保に全力を尽くすべきだ。

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