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【住宅クライシス】自治体7割超で保証人要求 公営住宅入居、国指針とズレ

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 公営住宅の入居時に保証人を求めない国の指針が3年前に示されたが、昨年8月時点で、7割超の自治体で保証人を求める条例や規則が存在することが7日、国土交通省への取材で分かった。各自治体の改正作業にばらつきがあるためとみられ、地域によっては入居希望者が不利益を被っている恐れがある。(杉侑里香)

 国交省は平成30年3月、公営住宅を管轄する自治体が指針とする標準条例案から保証人に関する規定を削除し、各自治体に通知した。それまでは入居に際して1~2人の連帯保証人や保証人を立てるよう義務づけてきたが、公営住宅に求められる「住宅セーフティーネット」としての役割を重視し指針を改めた。

 保証人は主に家賃の滞納が発生した場合への備えだが、入居希望者には高齢や障害などを理由に身寄りや知人がいない人もいる。総務省によると、保証人規定が入居の妨げとなったケースは27年度中に全国で少なくとも65件あった。

 公営住宅を管理する自治体は通常、新指針を参考に条例や規則を改正する。国交省によると、昨年8月までに約23%にあたる392自治体で保証人規定が削除され、全国約215万戸の半数近い約119万戸で、保証人が全面的に不要となった。残りの7割超に当たる1280自治体では、検討中も含め古い規定が残っていたり、条件付きで保証人免除に切り替えたりしていた。

 関係者によると、都市部では比較的、改正作業が進んでいるが、担当職員も管理している戸数も少ない地方の市町村などで滞っているケースがあるという。

 日本弁護士連合会は「法が想定する低額所得者の入居を妨げる」として、各自治体に保証人規定の削除を求めている。生活困窮者を支援するNPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」(東京)の大西連理事長も「保証人を立てることができず住宅の確保に悩む人々に行政はしっかり目を向けてほしい」と言う。

 公営住宅問題に詳しい千葉県弁護士会の沢田仁史弁護士は「家賃滞納などに対しては、福祉関係の部署との連携で解決できる場合もある。自治体によって入居要件が大きく異なることは望ましくなく、保証人規定が残る自治体は撤廃に向けた議論をしてほしい」と話している。

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