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岡本行夫さんの遺作小説 人間や地球思う人柄にじむ JICA理事長・北岡伸一さん

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 新型コロナウイルスによる肺炎のため、昨年4月に74歳で死去した外交評論家の岡本行夫さんの遺作小説『フォト小説 ハンスとジョージ 永遠(とわ)の海へ』(春陽堂書店)がこのほど刊行された。岡本さんと親交の深かった国際協力機構(JICA)理事長、北岡伸一さん(72)は思い出を振り返りながら、「人間や地球を思う優しい人柄が伝わる作品」と評する。

 物語は中東の海が舞台。年老いたダイバー、ハンスと、巨大魚ナポレオンフィッシュのジョージのふれあいを描きながら、生命や自然の尊さを訴えかける。

 外交や国際協力の政策づくりの場で、岡本さんとともに仕事をする機会が多かった北岡さんは「国民の命を守るため、現実的な安全保障能力をもつ必要性を提言してきたが、根っこには人間への愛情を抱えた優しい人だった」と振り返る。

 岡本さんは、平成29年からJICA特別アドバイザーに就任。ウガンダ、ルワンダなどアフリカ8カ国を訪問した。

 「ウガンダの職業訓練学校を訪ねたときには、仕事を覚えようと努力する若者の姿に心を打たれ、ルワンダの小学校では、何とか環境を改善したいと、帰国後、民間企業に交渉して寄付を集めてくれました」

 物語でも、欧州に密航する途中、海に投げ出されて命を落とすアフリカ難民の悲劇を描いている。

 「岡本さんの主な専門地域は中東と米国だったが、10億もの人が力強く立ち上がろうとしているアフリカの現状を知り、応援したいという思いを持たれていた」という。

 一方、岡本さんが作品の主軸に掲げたテーマは、美しい海とそれを脅かす環境破壊だ。

 「これまで自然環境について深く議論したことはなかったけれど、自然を破壊し続ける人間の傲慢への怒りや悲しみという、岡本さんのもう一つの顔を見せてもらった気がします」

 ダイビングを趣味とする岡本さんが撮影した海中写真など45点が収録されているのも特徴だ。

岡本行夫さん
岡本行夫さん
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 特に物語の舞台となった紅海は、岡本さんが長年通い続けた透明度の高い海。サンゴに群れる熱帯魚や悠然と泳ぐナポレオンフィッシュなど、見ごたえのある写真が並ぶ。

 北岡さんのもとには毎年、岡本さんから海中写真を添えた年賀状が送られてきたという。

 「本を手にして、まとまった年賀状をもらった気がしました。『こんなきれいな海を見てよ』というのが、岡本さんの一番の思いじゃないでしょうか」(篠原那美)

【プロフィル】岡本行夫

 おかもと・ゆきお 昭和20年、神奈川県生まれ。一橋大卒業後、43年に外務省に入省し北米局安全保障課長や北米一課長などを歴任。平成3年に退官後、橋本龍太郎内閣、小泉純一郎内閣と2度にわたり首相補佐官を務める。国際問題を中心にメディアや講演で幅広く活動し、産経新聞の「正論」執筆メンバーでもあった。

■書籍プレゼント

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