PR

ライフ ライフ

【主張】ワクチンの配分 自治体任せでは混乱招く

 新型コロナウイルス感染症のワクチンの高齢者への優先接種が4月12日から始まる。

 ただし、接種は当面限定的だ。日本が確保できた数量が少ない中で、全都道府県での4月開始を目指し、「薄く広く」配分した面はないのか。

 実施を担う市区町村からは「誰から接種を開始すればよいのか分からない」と困惑の声が上がる。

 厚生労働省は高齢者のうち、どのような人から接種するのか指針を示すなどして、自治体を支えるべきだ。

 優先接種の対象になる65歳以上の高齢者は全国で約3600万人いる。一方、4月12日からの接種に向けて、第1陣で配分されるワクチンは約5万人分しかない。

 河野太郎ワクチン担当相は記者会見で、「どの市町村で接種を行うか、どう配分するかは、各都道府県に調整をお願いしたい」と述べた。東京、神奈川、大阪の3都府県に第1陣で届くのは約2千人分で、他の道府県へは約1千人分だ。どう分けるというのか。自治体へ難題を丸投げせず、指針を設けて混乱を避けるべきだ。

 65歳以上の高齢者全員が2回接種する分は6月中に確保できるという。だが、スタート分として明確に示された数量は計55万人分で高齢者の1.5%分にすぎない。政府は接種の遅れを招いた見通しの甘さを猛省してもらいたい。

 一般の接種もそれだけ遅れることになる。背景には製造元の米ファイザー社による生産ライン変更や欧州連合(EU)による域外への輸出管理の強化がある。医療従事者の接種希望増も一因だ。

 今後もワクチンは五月雨式の到着になろう。厚労省は混乱を招かぬ配分方法の指針を随時、策定してもらいたい。75歳以上を優先したり、対象人数と割当数が合う市町村から始めたりするなど、知恵をしぼればよい。

 高齢者の接種開始までにワクチン1瓶から6人分の薬液を取れる特殊注射器を調達できるかも不透明だ。確保できれば、接種人数は2割増える。

 ファイザー社からのデータ提出を受けて、米食品医薬品局(FDA)は25日、零下15~25度の一般的な医療用冷凍庫で最大2週間のワクチン保管を認めた。小分けや移送が容易になり、自治体の負担は軽減される。日本でも速やかに実施しなければいけない。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ