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【朝晴れエッセー】死してなお・2月27日

 67歳で逝った亡き妹の一周忌が執り行われた法要の読経の後。住職は、小学生から社会人の、妹の孫たちに向けて話し始めた。

 「将来、困ったことや悩みにぶつかったとき、おばあちゃんのことを思い浮かべてみましょう。おばあちゃんのことを忘れないように」と。それを聞いていた妹の長女である姪(めい)は目頭を押さえた。

 後で姪に聞いたところによると、先日医師から、難病を患う子供の病状について「手術」か、「現状を見守りながらいく」か、治療の選択を求められたという。ただし手術しても良い結果が得られるとは保証できないといわれ、一人親の姪は悩みに悩んだ。

 そんな姪の夢枕に亡き妹は毎晩現れ、黙って姪を抱きしめたという。夢枕の母に背中を押され、姪は手術を決断。今は、子供に症状が出てなくて安定しているそうだ。その後、妹は現れなくなったという。

 涙交じりで話す姪の言葉に、死してなおわが子を守ろうとする強い「母の愛」を感じずにはいられなかった。亡くなっても子を思う母の愛が、残された者を救うんだと深く感銘を受けた。

 存命中も孫の病気を案じていた妹。姿はなくともその魂は、後に残した愛しい人たちをいつまでも見守っているに違いない。

 そんな目に見えない力に見守られ、姪や甥(おい)、その子供たちも困難にぶつかったときは亡き妹を思い出し、乗り切っていくことだろう。

細川江美子 72 和歌山市

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