PR

ライフ ライフ

治療薬めぐる人間ドラマ 下山進さん「アルツハイマー征服」 

子供の落書きといっしょになっていた昔の資料を手にする下山進さん。当時、小学生だった子供はいま社会人だ
子供の落書きといっしょになっていた昔の資料を手にする下山進さん。当時、小学生だった子供はいま社会人だ

 高齢化の進行とともに増加する認知症患者。WHO(世界保健機関)によると、世界中に約5000万人の患者がおり、毎年約1000万人が新たに発症。患者の約6割がアルツハイマー病だ。今年1月に出版された下山進著「アルツハイマー征服」(KADOKAWA)は、この病気の正体をつきとめ、その治療法を探そうと最前線で闘ってきた人たちを描いた力作だ。

 下山さんは、メディアに関する著書「2050年のメディア」で知られる文芸春秋元編集者。足かけ18年、世界の研究者や患者などへの取材を重ね、出版にこぎつけた。

 取材を始めたのは2002年、天才的な米科学者、デール・シェンクとの出会いがきっかけだ。当時、シェンクが考えた「アルツハイマー病をワクチンで治療する」という独創的な方法の効果がマウスで確認され、「アルツハイマー病は治る病気になる」という希望に包まれていた。

 しかし、人間の治験では重大な副作用がおき開発が中止に。下山さんも06年に取材を打ち切った。取材再開は18年、事態が大きく動き始めたことを知ったためだ。「いくつもの治験の失敗を経て、治療法の道筋が見えてきた。この病気を治したいという研究者たちの思いがバトンのようにつながり進歩が訪れた。そのダイナミズムを書きたいと思った」と振り返る。

 本書の中心となるのが、「アリセプト」と「アデュカヌマブ」という2つの薬をめぐる人間ドラマだ。

続きを読む

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ