【朝晴れエッセー】教え子に見た父の愛情・2月23日
2月4日の晩はよく眠れなかった。教え子である松崎君から「明日の朝刊に僕のつたないエッセーが掲載されます」とメールが入ったからだ。
朝一番に「朝晴れエッセー」に目を通す。「娘の自立」と題した文章。グイグイ引き込まれ、たちまち読み終わった。
彼とは、年賀状のやりとりと、たまに産経新聞に私が投稿し、掲載されたときにそのエッセーを知らせて読んでもらうというつながりで、今日まできた。
それが今度は立場が逆転。彼のエッセーを私が読むことに。彼を教えたのは4年生のときだった。クラスでは活発で、リーダーシップのある子。子供らしい純真さに満ちていた。作文や習字が上手で、感心したことも度々。
その彼が今や立派な父親となり、思春期を迎えた娘さんとの会話を、赤裸々につづっていた。その文の中に、娘を思う親心がにじみ出ていた。
いいお父さんをしているじゃないの。ここまで娘さんが自立していれば、もう安心よ。親としての卒業も、間近ですね。そう思った。思わず微笑んでしまう、父子の語らいを、率直に書いて、隠そうとしてないのが彼らしい。
実生活での彼は、4人のお子さんのお父さん。エッセーのご次女のみならず、どのお子さんにも深い愛情をかけ、育ててこられたに違いない。今回の文章からそれが読み取れた。
宮内瑞穂 74 千葉県市川市