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天皇陛下、誕生日ご会見全文

 天皇陛下のお誕生日に際して行われた記者会見の全文は以下の通り。

コロナ禍のご活動

 --新型コロナウイルスの感染拡大により、皇室の活動も制限され、天皇陛下が多くの国民と交流される機会が減りました。国民との直接のふれあいが難しい中、陛下は皇后さまとご進講を重ね、オンライン行幸啓を始めたほか、元日には国民に向けたビデオメッセージも公表されました。感染症の影響が長期化する中で、コロナ禍の天皇や皇室の在り方、今後のご活動の方針について、どのようにお考えでしょうか。新しい取り組みについてのご感想とともにお聞かせください

 「日本の歴史の中では、天変地異や疫病の蔓(まん)延など困難な時期が幾度もありました。これまでの歴代天皇の御事蹟(せき)をたどれば、天変地異等が続く不安定な世を鎮めたいとの思いを込めて奈良の大仏を作られた聖武天皇、疫病の収束を願って般若心経(はんにゃしんぎょう)を書写された平安時代の嵯峨天皇に始まり、戦国時代の後奈良天皇、正親町天皇など歴代の天皇はその時代時代にあって、国民に寄り添うべく、思いを受け継ぎ、自らができることを成すよう努めてこられました」

 「その精神は現代にも通じるものがあると思います。皇室の在り方や活動の基本は、国民の幸せを常に願って、国民と苦楽を共にすることだと思います。そして、時代の移り変わりや社会の変化に応じて、状況に対応した務めを考え、行動していくことが大切であり、その時代の皇室の役割であると考えております」

 「国民を思い、国民に寄り添う点で、災害で被災された方々、障害者や高齢者、あるいは社会や人々のために尽くしてこられている方々にも心を寄せ、ねぎらい、励ましていくことはとても大切なことです。それは、私と雅子二人の自然な気持ちであるとともに、皇室としての大事な務めであるとも思います。この1年は、コロナ禍(か)に翻弄されてきました。愛する方を失った御家族や御友人のお悲しみはいかばかりであったことでしょう。心から哀悼の意を表します。また、コロナ禍(か)の閉塞感からでしょうか、自ら命を絶つ人が増えていることも極めて痛ましいことで、皆で何とか防がなくてはなりません。その一方で、強い使命感を持って医療に取り組んできた方々や保健所などで現場の対応に当たってきた関係者を始め、高齢者や障害者など、社会的に弱い立場にある人々を支えてきた関係者や、子供食堂のような、困難な状況に置かれた子供たちを支援してきた関係者など、多くの方々からお話を伺う機会を得、皆さんの有り難い尽力に思いをより深く致しました。このような方々に対し、国民の間で感謝の念を広く共有することができた1年となりました」

 「このところ、新規感染者の数は、幸いにして全国的に減少傾向に転じているようです。また、新型コロナウイルスワクチンの接種も始まりました。今しばらく、国民の皆さんが痛みを分かち合い、協力し合いながら、コロナ禍(か)を忍耐強く乗り越える先に、明るい将来が開けることを心待ちにしております」

 「同時に、現在の状況を見ると、新型コロナウイルス感染症の影響により、多くの国民の皆さんと直接触れ合うことが極めて難しくなっていることを、私たち二人も残念に思っております」

 「このような状況の中で、人々とのつながりを築き、国民の皆さんの力になるために、私たちに何ができるかを考え、宮内庁とも相談して、オンラインでの交流の可能性が検討されました。昨年8月には『新型コロナウイルス感染症大流行下の水防災に関する国際オンライン会議』にお誘いを頂いて、オンラインで聴講し、会議後に、参加者の方々ともオンラインでお話ししてみたところ、臨場感があり、人と人とのつながりを肌で感じることができました。そこで、その後、更に検討を重ね、昨年秋以降、オンラインで日本赤十字社の医療現場、高齢者や障害者の仕事や活動の場、そして、今年に入ってからは、昨年7月の豪雨災害の被災市町村を訪問し、それぞれ、関係者の皆さんとお話をすることができました」

 「このオンライン訪問には、感染症対策としての利点以外にも、同時に複数の場所にいる人々に会うことや、中山間地域など通常では訪問が難しい場所でも訪問できるという利点があることを実感いたしました」

 「この1年は公務に様々な制約が生じ、例えば、新年の一般参賀を行うことも難しい状態でしたが、代わりに、ビデオメッセージで国民の皆さんに私たちの気持ちをお話しすることができたことも含め、オンラインによる活動に新たな可能性を見いだせたことは、大きな発見と言えます」

 「地方を訪問する際の駅頭や沿道も含めて、現地で多くの方々と同じ体験を共有し、その土地、その土地の雰囲気を肌で感じるなど、実際の訪問でなければ成し得ない部分はあるものの、感染が収束しない現状では、オンラインは有効な手段と考えられます。オンラインには、オンラインなりの課題もあるでしょうが、引き続き、状況に応じた形で活用していきたいと思います」

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