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【私と新聞】知らない世界から新たな興味を 国立天文台教授 本間希樹さん

報道を通じて社会とのパイプが太くなったという本間さん(佐藤徳昭撮影)
報道を通じて社会とのパイプが太くなったという本間さん(佐藤徳昭撮影)
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 ネットニュースは、レコメンド(推薦・提案する)機能が充実していますが、かえって危なく感じます。自分好みで必要な情報が手っ取り早く手に入るから大変便利ですが、興味のないものに出合う機会を失っている可能性があります。一方、新聞はパラパラめくれば、自分に興味のない記事に目を通すチャンスがあります。

 興味のない情報に触れることの大切さは、研究にも通じる部分があります。研究をしていて、何か新しいものに取り掛かるときに、今まで持っていないものを取り入れた方がうまく進むことはよくある話です。予想外の情報と出合う確率を上げておく、アンテナをはっておく、といった感性を磨くのは大事です。

 新聞は、持ったときに重さや厚みを感じ、紙面を見れば、このニュースはこのくらいのボリュームだと一瞬でわかります。それは非常に大きな情報で、全体像をつかむという観点ではネットはわかりにくい。論文も、じっくりしっかり読みたいときは印刷します。印刷物の方が情報処理スピードが速く感じるからです。

社会へ出合いの場に

 新聞には、子供たちの好奇心をかき立てるようなメッセージを伝えてほしいと思います。僕自身、謎があって純粋にそれを不思議と思う好奇心があるから研究を続けています。そうした研究者たちの純粋な好奇心で科学が進歩することで、最終的に社会が豊かになっていきます。

 もちろん事実や結果を伝えることも大事ですが、「分かっていないこと」を伝えることも同時に大切だと感じます。時間に制約のある学校では分かっていることしか習わない。だからこそ新聞が伝えてほしい。そのうえで新しいものにチャレンジする次の世代が出てきたらうれしいですね。それが社会の活力になっていくと思います。

 講演会では、子供たちに「とにかく好きなものを見つけてください」と語っています。研究者や科学者を目指す中で一番大事な素養は情熱だからです。僕は宇宙が好きでもっと知りたいという情熱があるから、分からないものに挑めています。特に、基礎科学の場合は答えも解決手段も分からず、失敗の連続で基本的にはうまくいかない。それでも、なぜやり続けられるかというと、やっぱり好きだからなんです。

 新聞は政治、経済、科学など多様なジャンルをカバーしています。自分の知らなかった世界の知識が入り、そこに新たに興味を持つきっかけとなる、いわば「社会に対する出合いの場」です。新聞を通じて、自分が情熱を持てそうなものや好きなものを見つけてほしいと思います。

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