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【話の肖像画】歌舞伎俳優・中村鴈治郎(62)(18)上方歌舞伎に人情喜劇を

 《「幸助餅」は、相撲取りの雷(いかずち)に入れあげたあげく店を失い、落ちぶれた餅米問屋の主人、大黒屋幸助(だいこくやこうすけ)の再生劇。客席は笑いの渦で、終盤にはハンカチで目をぬぐう人も。初演では、鴈治郎さんが幸助、同じく歌舞伎俳優の坂東彌十郎(やじゅうろう)さんが雷を演じた》

 もともと松竹新喜劇の「幸助餅」は、作者の曽我廼家(そがのや)五郎さんが上方の歌舞伎俳優なので歌舞伎の要素が含まれていて歌舞伎化しやすい作品でもありました。

 新作歌舞伎として5回上演されているんですよ。しかも平成30年に東京の歌舞伎座で上演されたバージョンは、幸助を尾上松也(おのえ・まつや)さん、雷を市川中車(ちゅうしゃ)(香川照之)さんが演じました。私の手を離れた配役ということは、この作品が歌舞伎の作品として独り立ちしたということ。うれしかったですね。

 《松竹新喜劇から鴈治郎さんが関わって歌舞伎化したもう1作は「色気噺(いろけばなし)お伊勢帰り」。令和元年7月に松竹座で初演された》

 私が演じたのは、ちょっととぼけた左官の喜六で、コンビの二枚目の大工、清八は中村芝翫(しかん)さんが勤めてくれました。こちらはどちらかというと爆笑喜劇。楽しかったですね。

 《驚かされたのは、鴈治郎さんの思い切った役作りだった。どんぐりまなこに真っ赤なほっぺ、貧乏で、女房の尻に敷かれっぱなしの男の役をユーモラスに演じた》

 代々の鴈治郎には二枚目のイメージがありますので、「あんなん(あんな役)やって。鴈治郎のイメージではない」と思う人がいるかもしれません。

 でも、上方の人情喜劇を作るのは、上方歌舞伎のレパートリーを増やしたいから。そのためにはなんでもやっていきたい、そう思っています。(聞き手 亀岡典子)

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