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【話の肖像画】歌舞伎俳優・中村鴈治郎(62)(16)幸せ感じた「親子3人芝居」

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父、藤十郎さん(右)と親子逆転の配役となった「伊賀越道中双六」での平作役=平成26年7月、大阪市中央区の松竹座(c)松竹
父、藤十郎さん(右)と親子逆転の配役となった「伊賀越道中双六」での平作役=平成26年7月、大阪市中央区の松竹座(c)松竹
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 《平成25年11月、東京の国立劇場で、日本三大仇(あだ)討ちのひとつ、伊賀上野の仇討ちをもとにした「伊賀越道中双六(いがごえどうちゅうすごろく)」が上演された。その配役を見て、誰もがアッと驚いた。二枚目の十兵衛に鴈治郎さんの父の坂田藤十郎さん、十兵衛の老父、平作に鴈治郎さんという、親子逆転のキャスティングだったからだ。平作はその日暮らしの貧乏な荷物持ち。白髪頭のよぼよぼの老人である》

 当時、私は50代。父は80代になっていたと思います。実の親子が劇中で、親子や夫婦を演じることは歌舞伎ではしばしばありますが、親子関係が逆転する配役というのは、そうはありません。

 みなさん驚かれたようですが、私自身はまったく抵抗がなかった。これは、父が異様に若いから実現した配役だったと思います。

 平成13年に、(片岡)仁左衛門(にざえもん)のおにいさんの十兵衛で、(十八代目中村)勘三郎さんが平作を勤められているんです。それを見ていましたからね。この役いいなあと思いましたし、自分もやってみたい、こういうふうにやったらできるんじゃないかなと思いました。

 親子逆転の配役は、30年の京都・南座の顔見世の「新口村(にのくちむら)」でも実現しました。このときは、父の忠兵衛、私が忠兵衛の老父、孫右衛門(まごえもん)、弟の(中村)扇雀(せんじゃく)が忠兵衛の恋人の梅川を勤めました。父が亡くなる少し前に、親子3人でこのお芝居が上演できたのはとても幸せなことでした。

 当時、父は動くのが少し厳しくなっていましたが、舞台にいるだけで、もう若々しい二枚目の忠兵衛になっているんです。全然、よっこらしょ、という感じじゃない。近くにいて、すごいなあと思いました。

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