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ワクチン輸送めぐる報道自粛要請に是非 「慎重期すべき」「基本は情報開示」

 新型コロナウイルスのワクチン接種に絡み、政府は不測の事態を避けるため、海外からのワクチン輸送について報道自粛を要請。ワクチンは12日に到着したが、政府はその事実も明らかにしなかった。国民の関心事に関する情報開示の在り方について、識者の見解は分かれている。(吉沢智美、王美慧)

 ワクチンの第1便を載せた航空機は12日、ベルギーのブリュッセルから成田空港に到着。作業員がワクチンが入ったとみられる積み荷を降ろし、ワクチンを積んだとみられるトラックが出発すると、関係者から拍手も上がった。しかし、加藤勝信官房長官は同日の記者会見で「既に到着しているのか否か、保管場所、数量などの詳細はファイザー社との関係もあり、政府として差し控えたい」と発言。詳細を公表しない考えを改めて示した。

 政府の報道自粛要請は2日、ワクチン接種の調整を担う河野太郎ワクチン担当相から伝えられた。「取材、報道は控えていただけるとありがたい」。河野担当相は記者団にこう述べ、加藤官房長官も3日に報道自粛に協力を呼びかけた。

 ワクチンは現在、世界的な争奪競争の様相を呈しており、政府も想定外の事態を回避するため神経をとがらせている。テロ対策に詳しい公共政策調査会の板橋功研究センター長は「安全保障問題として捉えるべきで、テロによる破壊や空港での詐取の危険もある」として政府の判断に理解を示す。米国などでは輸送に際して軍が投入された例などもあるとし「民間企業に輸送の協力を得る場合には情報管理などを徹底する必要がある」と強調する。

 一方、立教大の砂川浩慶教授(メディア論)は「ワクチン接種は義務ではないため国民は情報を知った上で判断すべきであり、その材料を与えないのは本末転倒だ」と指摘。「報道自粛を判断するのはメディア側の話。基本は情報開示があって国とメディアが互いに納得できる線ですり合わせができればいい」と話した。

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