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動線分けられず、院内感染の不安…中小民間病院のジレンマ、役割分担進まず

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 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う病床逼迫の解消に向け、民間病院が患者の受け入れ拡大で難しいかじ取りを迫られている。大規模病院はすでに患者対応に奔走する一方、国の基準で退院可能な患者の転院先として期待される中小規模の病院は、院内感染などの不安から難色を示すところも多く、役割分担が進まないジレンマを抱える。

 埼玉県内にあるベッド数100床未満の民間病院では建物が老朽化し、検査室に向かうエレベーターが一つしかないなど、コロナとそれ以外の患者の動線を完全に分けることが難しいという。空き病棟を確保し、一般患者との空間を隔ててコロナ患者を受け入れることも考えたが、男性院長は「民間は90%以上の病床稼働率を続けて何とか黒字を維持できる。空き病棟を作れば、病床を削ることになり、途端に経営が厳しくなる」と打ち明ける。

 政府は確保病床に対する補助金の上乗せを決めたが、そもそも感染症や呼吸器が専門の常勤医師がいない。感染症に不慣れなスタッフで受け入れに踏み切って院内感染を起こせば、一般の入院患者の命を危険にさらす。風評被害により、一般外来の受診控えや医師や看護師らの人材流出が生じる不安も消えない。

 国内の病院の約8割を占める民間が病床確保を期待されながら、思うように協力が進まないのはこうした背景がある。千葉県ではコロナ患者用1119床のうち民間は約3割(今月9日現在)。大阪府も1801床中、民間が687床(先月31日現在)と4割に満たない。

 厚生労働省の調査では、400床以上の大規模病院の約8割が受け入れ可能なのに対し、100床以上200床未満は約3割、100床未満は約1割に過ぎず、中小規模が圧倒的に多い民間病院にとっては、物理的な壁も立ちはだかる。

 「患者をスムーズに後方支援病院に移せれば、大学病院はより重症化に重点を置いた診療を行える」。医学部のある国公立・私立大が参加する全国医学部長病院長会議の瀬戸泰之理事は大学病院の現状を訴える。

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