PR

ライフ ライフ

治療経験、感染対策に生かす ダイヤモンド・プリンセス船内対策本部で活動 自見英子・元厚労政務官 

大黒ふ頭に停泊中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」=横浜市鶴見区(萩原悠久人撮影)
大黒ふ頭に停泊中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」=横浜市鶴見区(萩原悠久人撮影)

 クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」は閉ざされた空間の中で、乗客同士が交流を続け、感染を広げた。「3密」(密集、密接、密閉)がリスクの高い環境として知られる契機となり、その後の感染対策に生かされた。船内の対策本部で活動した元厚生労働政務官の自見英子(はなこ)参院議員は「反省点もあるが、日本にとって非常に貴重な経験だった」と振り返った。(伊藤真呂武)

 船が横浜港に戻った翌日の昨年2月4日夜、新型コロナウイルスのPCR検査を受けた乗客乗員31人中、10人の感染が発覚。小児科医でもある自見氏は厚労省で報告を聞き、「船内でパンデミック(大流行)が起きている」と直感した。

 同10日から3月1日まで乗船し、対策本部で感染防止措置や乗客乗員の体調管理、検査、患者搬送などに対応した。乗客の多くが持病を抱えた高齢者で、症状を急変させる人もいたが、「船内で死者を出さなかったのは不幸中の幸い。下船後も船由来のクラスター(感染者集団)が起きなかった」と総括する。

 乗員にも専門家を通じ、手洗いやこまめな消毒といった衛生管理、対面を避ける食事方法などを指導した結果、業務を続けながら日々の感染者数を減らせた。自見氏は「『新しい生活様式』を実践すれば、感染拡大を防げるという知見を得られた」と指摘する。

 患者の搬送先は、宮城県から大阪府まで15都府県にわたった。「国内で市中感染が広がる前に、全国の感染症の医師がコロナ治療を経験できたのは、日本の治療実績が良いことにつながっている」(自見氏)。感染者や濃厚接触者、検査の有無など名簿の管理に苦労した経験から、下船後は医療体制や感染者情報の一元化に取り組んだという。

 当時は検査能力が不十分で、乗客全員の検査、下船まで時間を要した。自見氏は今後も10年周期で新たな感染症が流行することを踏まえ、専用の検査機関の創設を課題に挙げる。「クルーズ船の経験がなければ国内の感染対策はもっと遅れていた。転んでもタダでは起きないことが大切」。自見氏はこう強調した。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ