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クルーズ船感染拡大は当然 乗客夫婦が語る過酷な隔離生活

 新型コロナウイルスの集団感染が発生したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の横浜港帰港から3日で1年。カジノや食事、きらびやかなショーを満喫していた船内では、最初の感染が判明した後もダンスパーティーなどのイベントが続けられていた。未知の感染症に戸惑い、アウトブレーク(突発的集団発生)後は、その恐怖と向き合ってきた乗客たち。当時、そこで何が起きていたのか。船内にいた乗客夫婦の証言をもとに検証した。(外崎晃彦)

 長期の休暇が取れれば、クルーズ船で世界中を巡る旅を楽しんでいた静岡県在住の建築士の男性(67)と妻(70)にとって、今回も「いつもの旅」で終わるはずだった。

 異変を感じたのは、那覇港に立ち寄った昨年2月1日。検疫にいつもの倍以上かかり、観光の時間はわずか。香港で下船した乗客男性が新型コロナウイルスに感染したことが判明した日だったのを後で知った。

 船は3日に横浜港に帰港。下船準備で通路に出していた荷物が室内に戻され、男性は「下りられないぞ」と直感した。夜中に乗り込んできた検疫官が体温を測り、せきの有無を聞かれた。検疫官はマスクをしておらず、それを追及すると、「大丈夫」と答えた。妻は「検疫官も意識が低かった」と指摘する。

 乗客の感染判明後も、レストランやダンスホールなどの共有スペースは開放されたまま。ビュッフェ会場では誰も手袋をせず、トングを使い回していた。社交ダンスに参加していたのは高齢者が多く、プールサイドでマージャンに興じていたグループは酒を飲みながら騒いでいた。「あれだけ密接・密着した環境では、感染が広がって当然だった」との思いがぬぐえない。

 夫婦は前年の旅で、船内でインフルエンザが流行することを知り、マスクを大量に持参し、常に着けていた。「おかげで最後まで感染しなかったのかもしれない。船会社も危機意識が薄かったのではないか。乗客を分けずに過ごさせていたのは失敗だった」(妻)。

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