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【しずおか・このひと】令和2年度静岡県文化奨励賞受賞 染織家、稲垣有里さん(47)「モノを作る大事さ伝えたい」

稲垣有里さん
稲垣有里さん

 JR静岡駅前にある紺屋町地下街(静岡市葵区)に機織り機を置き、色鮮やかな手芸品を陳列するアトリエがある。主宰するのは染織家、稲垣有里さん(47)だ。染織や手芸などの技法の幅広い世代への普及に全力で取り組んでおり、その優れた業績も認められて令和2年度の静岡県文化奨励賞を受賞した。楽しく学ぶ染織の世界の魅力や今後の活動などについて聞いた。(小串文人、写真も)

 --県文化奨励賞受賞の喜びと、染織の世界に入ったきっかけは

 「栄えある賞をいただいて恐縮しています。奨励する賞だけに、ここからがスタートだなと受け止め、地域に根差して頑張り、私を推薦していただいた県工芸家協会に恩返していこうと思いました」

 「この世界に魅了されたのは高校2年の秋。当時、部活動を引退して次の活動を何にしようかと考えながら静岡の街を歩いていたところ、家具店の店先に大きなのれんがかかっていたんです。地元の染織家作の、鳥を描いた型絵染でした。見た途端に感激し、『こんなすてきな作品を作りたい』と思いました。高価で、買うことは無理だと思い、作ることを目指したんです。大学で染織を学ぶ学科に進み、技術を習得。染織などを通じて多くの人に作る楽しみを提供するアトリエを開設してきました」

 --具体的な活動内容を教えてください。これまで苦労したことは

 「染織・手芸教室を開設し、染物をはじめ、織物、糸を紡ぐ方法、フェルトなどを中心に教えています。参加者が都合のよい時間に来て好きなものを作る教室で、自分が楽しむこと、自主性を大事にするのがモットーなんです。男女を問わず、4歳から80歳を超える人までと幅広い年代層で、現在の参加者は開設以来通っている人を含めて約20人。新型コロナウイルス感染症の影響でしょうか、ピーク時に比べると半数ぐらいまで減りましたが、指導するのは私一人。参加者が自由に学べる点が好評を得ているようです。私がライフワークにしているのが『貝紫染め』。草木染を学ぶ中で知った染織で、貝の毒を染料にして着物を染めるんですが、その色に魅せられて技法を学んでいます。でも、材料費だけでも高価なので、教室の題材として取り扱ってはいないんです」

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