緊急事態宣言3週間 重症者数高止まり、都内は高齢者感染減らず

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、政府が緊急事態宣言を再発令してから29日で3週間となる。宣言の対象である11都府県の新規感染者数は減少傾向がみられるが、東京や大阪は宣言解除の目安にはほど遠い。重症者数も多く、医療提供体制の逼迫(ひっぱく)が続く。東京都では重症化リスクの高い65歳以上の感染者数も減少せず高い水準で推移し、28日の都のモニタリング会議では感染拡大防止策の徹底を求める声が上がった。
人出抑えきれず
「夜昼問わず不要不急の外出を自粛し、昼も夜も飲み会やホームパーティーは控えていただく」。モニタリング会議で小池百合子知事は都民向けに改めて対策徹底を求めた。
8日の宣言再発令以降、都内の感染者数が減少傾向にあることは曜日ごとの推移に表れており、感染者数の報告が多い木曜日で7日2447人、14日1502人、21日1471人、28日1064人となった。
7日間平均の陽性率も再発令後の約14%から下がっており、26日時点で8%台。政府の新型コロナ感染症対策分科会が示した「ステージ3」(感染急増)、「ステージ4」(爆発的感染拡大)の目安である10%を下回っている。
だが都幹部は「まだまだ楽観できる水準にはなっていない」と指摘する。直近7日間の感染者数の平均は28日時点で987・4人となり、今月5日以来の3桁の水準に下がったが、宣言解除の目安の一つとされる「500人未満」を大きく上回る。都幹部は「濃厚接触者も多く、街中の人出も抑えきれていない状況で新規感染者数が急激に減ることは難しいのではないか」との見方も示す。