両陛下、オンラインで熊本の豪雨被災地お見舞い
天皇、皇后両陛下は27日、昨年7月の豪雨で多数の死者が出るなど甚大な被害を受けた熊本県と、お住まいの赤坂御所をオンラインでつなぎ、被災状況を視察するとともに、自治体の関係者や被災者と懇談された。新型コロナウイルス禍で、両陛下は昨年からオンラインによる地方視察に臨まれているが、被災地のお見舞いは初めて。
熊本側は、県庁(熊本市)と人吉市、八代市、球磨(くま)村、芦北町の全5会場を設定。密集を避け、マスクを着用するなどの感染対策を徹底し、蒲島郁夫(かばしま・いくお)知事と4自治体の首長、被災者に加え、災害対応に尽力した自衛隊や警察、消防関係者ら計約15人が各会場に分かれて参加した。
両陛下は蒲島知事の説明の後、豪雨で氾濫した球磨川流域の被災当時の状況と、現状を映像でご覧に。その後、被災者らと画面越しに言葉を交わされた。
犠牲になった妻のまさ子さん=当時(67)=の遺影とともに参加した芦北町の矢野解光(ときみつ)さん(74)に、天皇陛下は「お寂しさもいかばかりかとお察しします」と寄り添われた。皇后さまはヘリで救助活動に当たった消防関係者を「何度も出動されて、たくさんの方を救助されたんですね」とねぎらわれた。