安全安心なイチゴ狩りが人気 茨城・下妻、ハウスを完全貸し切りに
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で落ち込んだ客足を取り戻そうと、茨城県下妻市のイチゴ狩り農園が年明けから始めたビニールハウスを1棟丸ごと利用客の貸し切りとした“安心安全”なプランが人気を集めている。(谷島英里子)
この農園は、同県常総市に本社のある農業法人「大地」が運営する下妻農場(下妻市唐崎)。利用客の3密を防ごうと、一組(15人まで)当たり30分の完全予約制とした。1人でも貸し切りとなるため飛沫や接触感染などを気にすることもなく安心でき、家族や子供連れでも楽しめるのが特徴だ。
大地の吉原将成社長(46)によると、イチゴ狩りができるハウスは44棟と数が多いため、貸し切りが実現した。業界でも珍しい取り組みという。
イチゴ狩りのシーズンは1~5月中旬。昨年はコロナ禍の影響で3月ごろから客足が鈍り、最終的な利用者は例年と比べて約6割減った。こうした危機を乗り越えようと、ハウスの貸し切りプランに加え、これまで従業員が担当したイチゴ狩りに関する説明は映像や音響での案内に切り替えるなど感染の防止に力を入れた。
説明機材などの購入には事業者がコロナ禍で感染拡大防止対策を行いつつ、事業を続けるための設備の導入を支援する国の経営継続補助金を活用した。
下妻農場の今年のイチゴ狩りは1月2日にオープン。とちおとめ、あまおとめ、やよいひめといった5品種を育てている。常連客へのはがきやインターネットでの告知も奏功し、1月の土、日はすべて予約で埋まったという。吉原社長は「完全貸し切りによる安心感で予約が伸びたのではないか」と分析。「イチゴは今年もいい出来。皆さんに食べていただきたい」と来園を呼びかけている。
4月上旬までの利用料金は中学生以上1800円▽小学生1300円▽小学校入学前の4歳以上の子供1千円で3歳以下は無料。イチゴは食べ放題だ。利用客にはマスク着用と手指の消毒、検温を求めている。問い合わせは、同農場(0296・43・9215)。