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外食各社、焼き肉、持ち帰り、宅配に狙い 逆風の中で生き残り模索

 新型コロナウイルス感染拡大で令和2年の売上高が過去最大の減少率に見舞われた外食産業が生き残りの道を模索している。なかでも打撃が大きかった居酒屋各社は焼き肉への業態転換といった思い切った戦略を決断。ファミリーレストラン各社も持ち帰りや宅配需要の取り込みに力を入れる。一方、回転ずしチェーンの中には新規出店で攻めに転じる動きも出ているが、外食業界全体では借り入れ増加による財務面の不安も指摘されている。

 新型コロナ禍の中で外食や会食を敬遠する流れは、アルコールと食事を夕夜間に提供する居酒屋業態を直撃。ワタミは祖業の居酒屋の新規出店を止め、外食産業の中で数年来“成長産業”とされる焼き肉業態への転換加速を決めた。「白木屋」「魚民」などを展開する居酒屋チェーン大手のモンテローザも今年1月、緊急事態宣言の再発令を受け、東京都内の全店の2割弱にあたる61店を順次、閉店すると発表した。

 ファミリーレストラン業界では、コロナ禍前から宅配強化を進めていたすかいらーくホールディングス(HD)が昨年7月、から揚げ専門店「から好し」をファミリーレストラン「ガスト」の店舗に併設させる戦略を開始。持ち帰りや宅配需要を狙い、今年1月には600店へ拡大させた。

 ロイヤルHDは冷凍食品事業を拡充中だ。内食市場への進出の足掛かりとして元年12月に家庭用冷凍食品「ロイヤルデリ」を開始。自社ネット通販と「ロイヤルホスト」で販売し、2年10~12月の売り上げは同年1~3月と比べ6・6倍に伸びた。「持ち帰りや宅配の浸透で食体験も時間と場所を選べる状況になった」と手応えを感じている。

 一方、回復の早さが指摘されている回転ずし業界では、くら寿司が今月、東京・渋谷と新宿で新店を開業した。価格は自社他店より10円高い「1皿110円」で、社内では都心型店舗と位置付ける。値上げは家賃が高いためだが、コロナ禍で飲食店が撤退した空き物件も増えて賃料交渉がしやすくなったという。

 ただ、日本フードサービス協会が加盟社の上場59社に調査したところ、昨年10月までの各社決算の集計で短期借入金はコロナ禍前と比べ4・6倍に拡大していた。協会関係者は「チェーン店は1店当たり数十人程度の従業員で運営するのが一般的。大手が閉店を決めればその分だけ失業する」と危機感を示している。(日野稚子)

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