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【Dr.國井のSDG考~置き去りにしない社会を目指して(6)】(下)ゲスト・内田和成氏 日本を「終わった国」にしないために

握手ではなく「肘タッチ」を交わす医師の國井修氏(左)と経営学者の内田和成氏(三尾郁恵撮影)
握手ではなく「肘タッチ」を交わす医師の國井修氏(左)と経営学者の内田和成氏(三尾郁恵撮影)
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 「世界エイズ・結核・マラリア対策基金(通称・グローバルファンド、GF)」の戦略・投資・効果局長を務める医師の國井修氏が、誰も置き去りにしない社会について会いたいゲストと対談する企画の6回目は、経営学者の内田和成氏を招いた。(下)では若い人が活躍できる社会の仕組みの重要性や日本の未来への期待を話し合った。

 國井 昔は日本は高齢者を大切にしてきましたが、今後、人生100年の時代を迎えるにあたって、健康な高齢者はどんどん社会に貢献して、若い人や女性も大切にする。外国人もマイノリティーと呼ばれる人々も参画できる多様性に富む社会にする必要があると思います。ダイバーシティが変革のパワーになることは世界的には実証済みです。次の世代を担うそういう人たちが主体的に未来をつくっていく、グランドデザインを描かないといけません。これまでの常識が通用しなくなった今がその好機だと思うんです。

 内田 意思決定の権限やお金を持っているのは上なので、上の人のマインドを変えていかないと駄目で、そこが日本の一番のチャレンジですね。

 國井 日本は右肩上がりの成長は難しいと思いますが、ヨーロッパには成長社会より成熟社会を重視し、人々が幸福な生活をしている国があります。世界の幸福度ランキングを見ると、北欧、私が住むスイスなどがいつも上位にありますが、日本は下位でそれも年々下がっている。

 内田 このままずるずる行くと、日本は終わった国になってしまいます。この先、どんなシナリオがあるかを選ばないといけないと思うんです。例えばアイルランドという国は人口は500万人くらいですが、世界中に6000万人~7000万人ものアイルランド人がいるといわれています。自分たちの国が貧しいから、外に出て生きていく道を選んだからです。

 逆にドイツやフランスのように、移民を受け入れることで成り立つ国もあります。国の経済は支えられるかもしれないけれど、治安が乱れたり衝突やテロが起きたりもする。シナリオをいくつか見せる中で、われわれはどうしていくのか議論していかないといけません。軸となるのは、若者にどうしたら未来が与えられるかという一点。そういう投げかけを政治家はすべきだし、そうした道を拓(ひら)いたリーダーは、歴史に名を残すと思います。

 國井 日本にはさまざまな変革が必要ですが、変革を主導する人の中に次世代の若者がどれだけいるのか、変革の必要性を本気で分かっている人、責任をもって変えようという人がどれほどいるのか。GFでは若い人や女性をどんどん中心に置いて戦略を作ったり動かしたりしていますが、優秀な人はどんなに若くても、どんな人種でもいい仕事をします。年齢が高くて経験があっても、ダメな人はダメ、逆に頭が固くなる傾向にもあります。ポストは人をつくるので、優秀な人を見抜いて、若い人、女性、外国人などをあえて登用することで、個人の成長や組織の変化が現れることも多い。

 内田 私たち世代がやることは、決定や実行は若い人に任せ、結果責任は私たちが負う。この1点に尽きるんじゃないかと思います。若い人に自由にやらせることがすごい大事なんじゃないかと思います。

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