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「寅さん」にも登場 コロナ禍で老舗料理店が231余年の歴史に幕

閉店は「大きな葛藤があった」と話す川甚の8代目社長、天宮一輝さん=19日、東京都葛飾区柴又
閉店は「大きな葛藤があった」と話す川甚の8代目社長、天宮一輝さん=19日、東京都葛飾区柴又
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 新型コロナウイルス感染拡大の長期化で飲食店の苦境が続くなか、寛政2(1790)年に創業し、231年の歴史を持つ東京・葛飾柴又の日本料理店「川甚(かわじん)」がコロナによる業績悪化を理由に今月末で閉店する。夏目漱石の「彼岸過迄(ひがんすぎまで)」など数々の文豪の小説に登場し、映画「男はつらいよ」の舞台にもなった老舗店の幕引きに、惜しむ声が広がっている。(本江希望)

■固定費が大きく

 「自分の代で店を閉めるのは大きな葛藤があった。経営者としての力不足です」。川甚の8代目社長、天宮一輝(あまみや・かずてる)さん(69)は、悔しそうに語った。

 同店は新鮮な鯉(こい)や、うなぎを使った川魚料理が名物。冠婚葬祭などにも利用され、映画「男はつらいよ」の第1作で、寅さんの妹、さくらの結婚披露宴のシーンが本館で撮影されたことでも知られる。

 地元や観光客に愛され、繁忙期は1日700人が利用することもあったが、コロナ禍で客が激減。経費削減や助成金、融資制度の利用など、手は尽くすも「大きな店なので固定費が大きく、焼け石に水だった」という。

 借入金を返済するためには、その分、売り上げを増やす必要があるが「明るい展望が見えない」として昨年12月に閉店を決断。「8代目としてバトンを受けて、自分の代で店を閉めるのは大きな葛藤があった」と胸中を明かす。

 天宮さんは同月20日に従業員を集めて閉店を説明し、頭を下げた。「従業員は黙って聞いてくれたが、心中は厳しいものだったと思う。本当に申し訳なく思っている」と振り返る。

 従業員に説明した後、天宮さんは菩提(ぼだい)寺である柴又帝釈天(たいしゃくてん)に向かい、先祖のお墓の前で手を合わせた。「声には出さないですが、『どうもすいません』と謝りました」

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