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【朝晴れエッセー】手形の記憶・1月20日

 またつらい1月がやってきました。

 インフルエンザにかかり高熱で寝こんでいた5歳の娘は、あの朝、私の呼びかけに応じなくなりました。

 救急車で運ばれた病院で脳症との診断を受け、娘の命が危険にさらされていることを知りました。あまりにも突然のことで、私の呼吸はみだれ、めまいで立っていることができず、涙が溢(あふ)れていました。

 娘はどんどん悪化していきました。たくさんの管につながれた姿を見るのが苦しく、これが夢であったらと願いました。

 私からおしゃれな娘だと聞いた看護師さんが、自宅からお気に入りの洋服を持参してみてはと言ってくれました。私は少し前に娘が自分で選んだピンクの花柄のワンピースを娘の体の上にかけてあげました。

 入院5日目、抱っこしてみませんかと声をかけられ、寝たままの娘を膝にのせました。

 16キログラムの体はずしんと重く、頭は新生児のようにぐらぐらでした。娘の顔がみるみる青白くなっていくのがわかり、これが娘との別れとなりました。あの時の感触を今も忘れることはありません。

 わが家のリビングには、最期の時の娘の手形が飾ってあります。小さな手形の上に私の手をのせてみて、3年たった今、この娘の手はどのくらいの大きさになっていたのかと考えます。

 手形を見ていると、悲しい記憶がよみがえります。しかし、私にとってこの手形は、かけがえのない形見であり、娘が生きた証なのだと思っています。

島田麻子 48 埼玉県桶川市

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