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【話題の本】『別冊アステイオン それぞれの山崎正和』サントリー文化財団、アステイオン編集委員会編 すごみ感じる寄稿者の顔ぶれ

 産経新聞「正論」創設時の執筆メンバーで、鋭い文明批評を展開した劇作家、評論家の山崎正和氏。昨年8月に86歳で死去したのを受け、昭和61年に山崎氏が創刊した論壇誌「アステイオン」の別冊として刊行された追悼特集で、60人超の知識人やゆかりの人々が文章を寄せた。

 猪木武徳、鹿島茂、御厨(みくりや)貴、鷲(わし)田(だ)清一(きよかず)…各界の一線で評論を展開する各氏のほか、歌舞伎俳優の松本白鸚(はくおう)氏らが山崎氏との思い出や功績を振り返る。多彩な顔ぶれは劇作、評論家という肩書に収まらない山崎氏の視線の奥深さを物語る。

 CCCメディアハウスの担当者は「各界から『非常にいい本を出してくれた』という声をもらいました。文章を寄せた顔ぶれに改めて山崎さんのすごみを感じた」と話す。

 山崎氏本人の文章もある。主宰者がいないアステイオンは、ものごとの多くを阿(あ)吽(うん)の呼吸で決め、お互い野暮(やぼ)は言わないという不文律がある。そのことで編集の風儀や誌面の空気は守られてきたとする。

 「こういうしなやかな強さは、たぶん百年の風雪にも耐えるはずだと、私は密(ひそ)かに信じている」。行間から読み取れる人々に託した思いは、温かくも鋭い。

(CCCメディアハウス・1500円+税)

渡部圭介

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