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東京のクラスター641件 昨年12月まで 施設ごとに異なる課題 

東京都庁第一本庁舎
東京都庁第一本庁舎

 東京都は14日、新型コロナウイルスの感染拡大により、都内の病院や高齢者施設などでクラスター(感染者集団)が発生した件数が昨年12月までで計641件に上ると発表した。都は感染が広がった状況を詳細に調べようと、都実地疫学調査チーム(略称・TEIT)を各施設に派遣。病院では患者にマスクを着用させる難しさや、企業では、派遣社員の健康状態が把握しにくいなどの課題が浮かび上がった。

 TEITの調査結果は、都に政策提言を行う「東京iCDC(東京感染症対策センター)」専門家ボード座長の東北医科薬科大の賀来満夫特任教授(感染症学)が14日開かれた都のモニタリング会議で明らかにした。

 都によると、集団感染件数641件のうち、各組織・施設別では、企業で発生した174件が最多を占め、医療機関の94件、高齢者介護福祉施設の90件、飲食店の85件が続いた。月別では、12月に報告された109件が最も多く、次いで11月の97件、最初の緊急事態宣言が発出された4月も94件と多かった。

 都は保健所から依頼を受ける形で、TEITの専門家チームを51の施設に派遣。感染が広がっていった状況や、それぞれ取った対策を関係者から詳しく聞き取り、その結果をまとめた。各組織・施設別で感染拡大の原因や課題が異なることも明らかになった。

 精神科病院では、隔離が必要な入院患者の行動制限やマスクの装着を徹底させることが難しいことが報告された。さらに手洗い用のせっけんや消毒剤さえも誤飲する危険性があり、予防対策を講じることが困難な状況が浮かび上がった。

 高齢者介護福祉施設では、感染が確認された患者が医療機関へ搬送できず、施設にとどまらざるを得ない事例が発生。今後の対策として、こうした事態が発生するケースに備え、職員を対象に普段から感染症に関する専門研修を実施する必要性があるとした。

 一方、企業では社員の勤務形態が複雑化するなか、派遣社員の健康状態に関する情報の把握が正社員と比べ難しい状況も判明。教訓として「平常から対策に取り組む必要がある」との指摘も明らかにされた。

 都内の感染状況は深刻化しており、賀来座長は「今回の調査結果をすみやかに周知し、感染対策やクラスター防止につなげたい」などと述べた。

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