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【くじら日記】宿直で聞こえるイルカの超音波 

宿直の時間、暗くなった館内で泳ぐイルカたち=和歌山県太地町立くじらの博物館
宿直の時間、暗くなった館内で泳ぐイルカたち=和歌山県太地町立くじらの博物館

 くじらの博物館(和歌山県太地町)の飼育員は、夜間警備のために宿直も行います。具体的には、閉館後、就寝前、早朝の3回にわたり、各所の戸締りやポンプなどの設備点検とともに、動物に異変がないかを観察します。合間には、飼育データをまとめたり、研究発表の準備をしたりするなど、普段手を付けにくいデスクワークにも勤しんでいます。

 1人での番は心細く、何事も起こらないことを祈って過ごすのですが、過去にはいくつもの事件がありました。

 水族館の配管が破裂し、天井から洪水のように水が流れ込み、通路が水浸しになったことがあります。バケツとモップをかき集め、開館までに何とかしようと走り回ったのを覚えています。台風などの荒天時は、停電と雨漏りの対処に一晩中追われることもしばしばです。自然の力に圧倒され、なす術もなく夜明けを待つこともありました。

 イルカショープールにいたはずの1頭がどこにも見当たらないこともありました。辺りを探すと、プール外に飛び出していたのを発見し、応援に来たスタッフと人海戦術で水槽に戻しました。また、水槽にイルカが一頭増えていたこともあります。妊娠していたイルカの出産兆候を見逃し、人知れず分娩(ぶんべん)したのです。幸い、母子の元気な姿を拝むことができたのですが、飼育員としては苦い記憶となりました。

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