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マスク罰金と通報 制限上げ躊躇の韓国、ひとまず危機脱出

韓国の文在寅大統領(大統領府提供・共同)
韓国の文在寅大統領(大統領府提供・共同)

 【ソウル=桜井紀雄】韓国は昨年11月以降、新型コロナウイルスの感染拡大の第3波に見舞われた。12月には、新規感染者数が防疫措置を最高水準に引き上げる基準の1日1千人以上に急増したが、経済への影響を懸念し引き上げに踏み切らなかった。結局、今月8日以降、新規感染者が600人台に減り、文在寅(ムン・ジェイン)政権はひとまず危機を脱した形となっている。

 韓国政府は防疫措置の段階を5つに分けているが、首都圏では第3波を受け、上から2番目の水準に引き上げられた。

 飲食店での午後9時以降の店内飲食の禁止といったそれまでの措置に加え、大型スーパーや映画館も午後9時以降の営業が禁じられ、スポーツジムや学習塾は休業を強いられた。

 12月に入っても第3波は収まらず、新規感染者が1千人を超える日が続き、文大統領も「最大の危機だ」と表明。しかし、1日平均800~1千人が移行の目安だった防疫の最高水準への引き上げは見送られた。

 移行すれば、運営や営業の禁止・制限の対象施設は200万カ所を超えることになるため、防疫当局は「経済的な被害が相当大きい」とみて、ためらったのだ。

 文政権は韓国の防疫措置が国際社会で高く評価されているとし、「K防疫」と称して自賛してきた。だが、防疫段階の引き上げをめぐるもたつきや、周辺国に比べてワクチンの導入が遅れていることで連日批判を浴び、文氏の支持率の低迷を招いた。

 追い込まれた文政権だったが、新年に入り新規感染者の増加傾向は鈍化。丁世均(チョン・セギュン)首相は今月8日、第3波について「ピークは過ぎた」との見方を示した。8日以降は新規感染者が600人台に減っている。

 新規感染者が減少した背景には、人々の防疫措置の順守がある。ソウルの通りでは、マスクを着けていない人はまず見かけない。感染症予防法の改正に伴う罰則強化の影響が大きいとみられている。11月から食事のときを除き、人々が集まる場所でのマスク着用が義務付けられ、違反者には10万ウォン(約9500円)の罰金が科されている。

 当局はスマートフォンを通じて違反者を見つけた場合の通報も積極的に募ってきた。12月には、3万件を超える通報が寄せられるなど“違反者狩り”が一部で過熱し、通報者への報奨金を取りやめたほどだった。

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