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「切り札」の緊急事態宣言発令 効果は見通せず

1都3県への緊急事態宣言発令の事前報告について答弁する西村康稔経済再生担当相=7日午後、国会・衆院第1委員室(春名中撮影)
1都3県への緊急事態宣言発令の事前報告について答弁する西村康稔経済再生担当相=7日午後、国会・衆院第1委員室(春名中撮影)

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、菅義偉首相は緊急事態宣言を再発令した。国民生活を幅広く制限した昨春と異なり、「急所」とされる飲食関係に焦点を絞りこんだ。科学的知見や専門家の提言を反映した措置だが、国民にはコロナ疲れが広がる。「切り札」の効果には悲観的な見方もある。

 「これだけ感染が拡大し、医療が逼迫(ひっぱく)している。現時点の対処方針では感染拡大を抑えることを最優先として取り組む」

 西村康稔経済再生担当相は7日の参院議院運営委員会でそう述べた。菅政権が掲げてきた「経済社会活動との両立」を当面断念し、感染対策を最優先する路線への転換を認めた。

 対策の主眼は飲食店への営業時間の短縮要請だが、飲食店は疲弊しており、どこまで要請が受け入れられるかは見通せない。東京商工リサーチの昨年末の調査では約33%が廃業を検討中といい、神奈川県の黒岩祐治知事は、県の時短要請に「2割の店しか応じていない」と明かす。コロナ分科会の尾身茂会長は「飲食店は重要だが、そこだけで感染を沈静化できない」とも語る。

 移動制限も抑制的になった。前回は人と人の接触機会を「最低7割、極力8割」減らすとしたが、今回は午後8時以降の不要不急の外出自粛徹底の要請にとどめた。一方、7日の諮問委員会では、専門家から「県境をまたいだ移動の制限も強く盛り込むべきだ」との意見が続出。首都圏の外側に人が移動し、関西圏で感染がさらに拡大する可能性を危惧する声も出た。

 緊急事態宣言は、短期集中で強い手を打つ「最後のカード」(政府高官)だが、対象地域の拡大を含め強化の余地は残り、発令期間も延長含みだ。政府筋は「効果があるなら飲食から広げるかもしれない」と語る。切り札なのに「小出し感」が漂うのは否めない。

 ともあれ宣言は発令され、収束には国民の協力が欠かせない。首相は7日の会見で「もう一度、皆さんに制約のある生活をお願いせざるを得ません」と呼びかけた。(千葉倫之)

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