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【話の肖像画】歌手・郷ひろみ(65)(4)樹木希林さんとの出会い

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昭和54年ごろ。ドラマで共演した樹木希林さんからプロの姿勢を学んだ
昭和54年ごろ。ドラマで共演した樹木希林さんからプロの姿勢を学んだ

 《徹底したリハーサルが完璧なステージを創り上げる。そんな“郷イズム”を触発したのはTBS系テレビドラマ「ムー」「ムー一族」で共演した女優、樹木希林さんとの出会いだった》

 希林さんの存在は大きかったですね。僕が21歳のとき、ドラマで共演して『お化けのロック』(昭和52年9月)で出会い、一緒にデュエットした。そして翌年の『林檎殺人事件』(53年6月)へと続くんですが、当時のお名前は「悠木千帆」だったんで、僕は千帆さんの方が…。本当にたくさんのことを教わりましたね。最初にお会いしたとき開口一番にいわれたことが「本気で笑ってない」「あなた、本気で笑ってない」と。「笑うのは難しい。泣くのは簡単よ。シクシク泣けばいいから…。でも笑うのは本気でやらなきゃ」って。それも番宣(番組の宣伝)で会っていきなり、初対面で。僕が何かで笑っていたら、千帆さんがそこに突っ込んできたんですよ。「もっと本気で」って。デュエットした2曲で披露した踊りも、ダラ~ンとしてお客さんからは一見、アドリブのように見えるんですが、千帆さんは「アドリブのように見えるまで稽古する」という考え方だった。稽古で繰り返しやりました。

 女優さんにはもっと厳しかったですよ。女優さんたちは(千帆さんのこと)嫌いだったんじゃないですか、ハハハ…。(ドラマのワンシーンで)加世ちゃん(岸本加世子さん)なんか、突き落とされていましたよ、2階からドーンと…。本気でやっていました。稽古からやっていました。それがハプニングに見えるまで、稽古で徹底的にやる。悠木流というか、樹木流ですね。ビンタのシーンでもリハーサルから「バーン!」ですよ。ま、実際は千帆さんと加世ちゃんは大の仲良しだったですけどね。

 千帆さんには、これぞプロと感じたエピソードがあります。共演当時、千帆さんは30代で、(おばあちゃん役のため)ドラマでは手の指だけ出ている手袋をしていたんです。「髪の毛はヘアメーク、顔もメークとかでいくらでも年はごまかせる。でも手の甲の若さだけはごまかせない。ドラマでおばあちゃん役をやるのに、ここだけ若いのはダメだ」と、自分で工夫して見えないようにしていたんです。そこは隠せないと。細かいところまでチェックしている。プロなんです。

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