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ラーメンすすり、人生相談も…東京駅八重洲口の屋台が撤退

JR東京駅の八重洲口前で営業していたラーメン屋台=令和2年10月16日(本江希望撮影)
JR東京駅の八重洲口前で営業していたラーメン屋台=令和2年10月16日(本江希望撮影)

 東京の玄関口、JR東京駅の八重洲口前で14年間、営業を続けていたラーメン屋台が昨秋、姿を消した。再開発工事の影響で撤退し、現在は休業しているという。移転直前の昨年10月、記者はこの屋台を取材で訪れていた。そこで目にしたのは、屋台を通した人と人のつながり。失われつつある昭和の風景があった。(本江希望)

 再開発工事が進む東京駅八重洲口前にひっそりと古びたラーメンの屋台があった。ぼうっと灯(とも)る赤ちょうちんに誘われるように、仕事や飲んだ帰りのサラリーマンらが入れ替わり、立ち替わり訪れた。

 この屋台「ラーメン廣瀬」を営んでいた店主の廣瀬敏明さん(73)は、20代から屋台ラーメン一筋。「都内のラーメン屋台は年々減り、この店を含めて数えるほどしかない」という。屋台には若い客も多く、客層は幅広い。一人でサッとラーメンをすすって帰る人、居合わせた客同士の交流を楽しむ人など、過ごし方はさまざまだ。

 「さあ、明日も頑張るか」。屋台でラーメンを食べ終えたサラリーマンの男性は自らを奮い立たせるようにつぶやきながら東京駅に向かった。

 廣瀬さんは「屋台では、ラーメンを食べにくる人が半分。あとの半分は目的地までの時間を屋台で過ごすために来ていると思う。だから追い立てず、好きに過ごしてもらうことを大切にしている」と語っていた。

 就職活動や恋愛のことなど、客から悩み相談を受けることも多い。「60歳を過ぎてからは、話を聞くだけではなく、自分の考えも伝えるようにしている」と廣瀬さん。屋台の常連で練馬区に住む自営業、石井孝一さん(49)は「疲れたときや悩みがあるときは、ついここに来てしまう」と打ち明けた。

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