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コロナ禍ご言及、憲法にも配慮 天皇陛下の新年ビデオメッセージ

新年のビデオメッセージでお言葉を述べられる天皇陛下と皇后さま =令和2年12月28日午後、赤坂御所「檜の間」(宮内庁提供)
新年のビデオメッセージでお言葉を述べられる天皇陛下と皇后さま =令和2年12月28日午後、赤坂御所「檜の間」(宮内庁提供)

 天皇陛下が公表されたビデオメッセージは、上皇さまが在位中に公表された形式とは異なり、皇后さまも同席された上でのお言葉となった。新年のあいさつとの名目ながら、陛下は憲法にも配慮し、大半の時間を割いて新型コロナウイルス禍の国民に向けた思いを込められた。

 天皇は憲法で「国政に関する権能を有しない」と定められている。このため宮内庁側は、コロナ禍での陛下のビデオメッセージについて「感染状況が流動的な中でのご発言は、政治的と受け取られかねない」(幹部)として慎重意見が大勢だった。

 新年一般参賀では集まった国民に陛下がお言葉を述べられるのが通例で、宮内庁は今回のメッセージを一般参賀に代わるものと位置づけていた。一方、陛下はコロナ関連の政策には触れずに「感染拡大防止と社会経済活動の両立の難しさを感じます」と述べるにとどめ、憲法に最大限に配慮した上で、国民に対するお気持ちを盛り込まれた。メッセージは当初想定されていた例年の一般参賀のお言葉の分量を大きく上回った。宮内庁幹部は「さまざまな立場の人に目を向けて推敲(すいこう)を重ねられた結果」と話す。

 天皇、皇后両陛下は昨年4月以降、そろって感染症に関する専門家らの進講の場に臨まれてきた。今回、皇后さまが同席された背景について宮内庁関係者は、そうしたお二方での取り組みの延長線上にあると受け止める。側近の一人は「従来の踏襲ではなく、ふさわしい在り方を両陛下で判断された」と明かした。

 陛下はお言葉を述べる際、プロンプター(原稿映写機)を使い、手元の紙に目を落とさずカメラを見つめて語りかけられた。一人一人の国民に視線を合わせる形も、陛下が決められたという。「感染症が収まり、再び皆さんと直接お会いできる日を心待ちにしています」。陛下はコロナ禍の国民への思いを、そう締めくくられた。

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