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想定上回る感染者増 病床確保に赤信号 さらなる増床は…

小池百合子東京都知事が定例会見で新型コロナウイルス対応で都民に自粛を要請した=12月18日、東京都庁(後藤徹二撮影)
小池百合子東京都知事が定例会見で新型コロナウイルス対応で都民に自粛を要請した=12月18日、東京都庁(後藤徹二撮影)

 新型コロナウイルスの感染者が専門家の想定を上回って増加し、医療体制を逼迫(ひっぱく)させている。ピークが見通せないまま、東京都は想定上の最大値の病床確保に踏み切り、大阪府でも病床使用率が7割に迫る状況が続く。今後も入院患者が増え続けた場合、さらなる増床は可能なのか。医療体制が手薄になる年末年始を見据え、不安が渦巻く。

 「患者の増加比が上がってきている状況から考えると、将来的に今のレベルの医療提供体制の維持では決して賄えない」。都が医療体制の警戒度を最高レベルに引き上げた17日、都医師会の猪口正孝副会長はその背景をこう説明した。

 都は同日、10日までに計3千床に増やしたばかりの病床を、重症者用250床、中等症用3750床の計4千床確保するよう改めて医療機関に要請したと発表。この数値は、6月時点の専門家のシミュレーションに基づき、ピーク時に想定される新規感染者、入院患者から導き出した病床確保計画の最大値になる。

 猪口氏によると、医療機関への聞き取りでは、現状でも無理をしないと病床を用意できないとの回答があるといい、「(新型コロナ以外の)通常の医療にそのまま影響が出てくる。余力だけでやっている時期は過ぎた」と打ち明ける。

 新規感染者は17日に過去最多の822人、16日時点の7日間平均でも513・1人(都外からの郵送検査分は除く)と、ピーク時に想定された477人を大幅に上回る。入院患者は14日に2049人となり、その後も2千人前後で推移。ピーク時の想定の2835人は下回るが11月初旬の1千人前後から倍増している。

 想定を上回る感染状況の中で、さらに病床を増やせるのか。都の担当者は「正直言って現時点では想像できない。4千床の確保でも医療機関には相当厳しいことを強いている。求められたらやるしかないが、これ以上の積み上げはかなり非現実的になる」とみる。

 重症者用の最大確保病床は500床だが、「救急の受け入れを止めないと無理な数字。現場では救急かコロナかの厳しい判断を求められる」(都担当者)。

 差し迫る医療崩壊の危機。「現場の医療従事者の疲労度は増している。ベッドは用意できてもスタッフがいなければ話にならない。彼らの負担を減らすためにも、感染者が減る方向に向かってほしい」。都幹部は祈るように話す。

 一方、「医療非常事態」を宣言した大阪府は新規感染者、入院患者、重症者の第3波の最大値がいずれもピーク時の想定を上回っている。

 「大阪コロナ重症センター」の稼働で、重症者用の病床使用率は7割を下回った。ただ、軽症・中等症の入院患者が17日時点で828人に上り、確保病床1256床の65・9%を占める。実際に使える病床(1196床)では69・2%と7割に迫っている。

 吉村洋文知事は18日、「新規感染者が高止まりし、軽症・中等症病床も非常に厳しい。医療資源には限りがあり、どんなに(病床を)確保しても、それを超える感染が広がればオーバーフローする」と強調した。

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