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囲碁の一力碁聖、6度目の正直、井山破り天元奪取2冠

一力遼新天元
一力遼新天元
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 囲碁の第46期天元戦五番勝負(新聞三社連合主催)の第5局が16日、徳島市で行われ、挑戦者の一力遼碁聖(23)が183手までで、井山裕太天元(31)に黒番中押し勝ちし、対戦成績3勝2敗で初の天元を獲得した。七大タイトル獲得2期の規定で、段位が九段に昇段。七大タイトルでは対井山戦6度目で初勝利となった。今春、早稲田大を卒業した一力は、河北新報社(仙台市)に在籍する記者でもある。碁聖とあわせ初の2冠になった一力新天元は「(2冠は)目標としていたことだったので良かった。シリーズを通して自分の力を出せた」と話した。井山は棋聖・名人・本因坊の3冠に後退した。

 新型コロナウイルスの影響を受け、対局が中断した囲碁界にあって、輝く成果を出した1人になった。プロ10年目の今夏、初の七大タイトルとなる碁聖を獲得した一力は、これまでさんざん苦しめられてきた井山を破り天元も奪取。2冠保持者になった。

 「これからも大きな対局が続く。国内戦、国際戦どちらも精いっぱい頑張りたい」と語っていたのは10月16日の碁聖就位式の場。一力の念頭にあったのはその1週前、8日の第1局で勝利していた天元戦五番勝負のこと。強敵・井山とのシリーズが始まっていたからだ。第2、3局に連敗し追い込まれたが、今月7日の第4局で意地を見せ、この日の最終局に持ち込んでいた。

 一力は平成28年の第42期天元戦で、初めて七大タイトル戦に挑戦。しかし井山六冠(当時)に敗れると、翌29年の天元戦や2度の王座戦、そして棋聖戦の計5度、すべて井山の前に敗れ去った。悔しさ、情けなさから終局後、涙ぐんだこともあった。この間は、早稲田大学社会科学部に通っていた時期でもあり、師匠の宋光復九段が「忙しすぎて、体がもつのかと思った」と心配するほど疲弊していたという。

 今年3月、大学を卒業。「囲碁に集中できる時間が増えた」というように結果にも表れ、今年46勝13敗(12月15日現在)は、井山(38勝12敗)を大きく離す勝利数トップ。国際棋戦でも勝利を積み重ねるなど、充実した1年になった。

 2度の七冠独占を果たした井山1強が長く続いたあと、元号が代わるとともに現十段の芝野虎丸が躍進。「I(井山)T(虎丸)」時代に入った。そこに芝野と同じく2冠になった一力(I)が加わった「ITI」を軸に、来年の囲碁界はまわっていく。(伊藤洋一)

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