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【くじら日記】国内水族館唯一のスジイルカ、難しい飼育

ショーに向けたスジイルカの訓練=和歌山県太地町
ショーに向けたスジイルカの訓練=和歌山県太地町

 くじらの博物館(和歌山県太地町)で暮らす小型鯨類9種のうち、ひときわ美しい姿をしているのがスジイルカです。背中は濃い灰色で、腹部はピンクがかった白色。目から延びる暗色の筋模様は名前の由来にもなっています。自然界での生息数は200万頭を超えるといわれ、比較的観察しやすい種類です。しかし、国内水族館で見ることができるのは当館のみで、その理由は飼育が難しいことにあります。

 日本におけるスジイルカの飼育事始めは50年以上前に遡(さかのぼ)ります。数カ所の水族館で試されましたが、神経衰弱などの理由により、いずれも短期間しか飼育できませんでした。いつからか、鯨類飼育の世界では「触ったら死ぬイルカ」や、「ステネラ(スジイルカ属の学名)には手を出すな」などと言い伝えられるようになりました。

 くじらの博物館では、2008(平成20)年に初めて、雌雄計3頭のスジイルカを搬入しました。先人が残した飼育記録や文献などの情報を頼りに計画を立てて臨みましたが、飼育日数はわずか4日にとどまりました。その神経質な性格ゆえの扱いにくさは、今まで飼育してきた小型鯨類とは別格で、なすすべがありませんでした。

 しかし、この経験から、本種飼育の可能性を見いだすことができました。神経質であるため介助を短時間で手際よく施すことや、外洋性であるため搬入は広く深いプールが適していること、さらに餌付けは人為的な給餌が必要ということ-などです。飼育を重ねるごとに新たな課題に直面し、その対策を立てることで、飼育期間は徐々に延びていきました。

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