「長い苦労報われた」 はやぶさ2チーム 着陸に安堵

「やった!」。6日午前2時半過ぎ、相模原市の宇宙航空研究開発機構(JAXA)の管制室に喜びの声が響いた。小惑星探査機「はやぶさ2」から分離された試料カプセルが大気圏突入を無事に切り抜け、位置を伝える電波を発信していることが分かった瞬間だった。
電波を発信できたことの意味は、着陸位置が探しやすくなるだけではない。発信とセットになっているパラシュートを開く動作が成功し、オーストラリア南部の砂漠に向けて予定通り、緩やかに降下している証拠でもあった。
緊張した表情でモニター画面を見つめていた管制室のメンバーに、弾けるような明るい笑顔が広がり、拍手が渦巻いた。
午前3時過ぎには、カプセルからの電波が途絶えたことが伝えられた。カプセルの位置が、地上に設置された高さ2~3メートルのアンテナよりも低くなったことを示す現象だ。責任者の津田雄一プロジェクトマネージャは「電波が途絶えたことは、着陸を意味している。本当によかった」と、ほっとした表情を浮かべた。
その後、オーストラリアのカプセル回収チームから、電波の分析によって着陸位置がほぼ推定できたとの連絡が入った。JAXAの久保田孝教授は「全てが順調に進んで感動した。長い苦労が報われた」と、喜びを語った。
JAXAは午前5時ごろに、着陸したカプセルをヘリコプターで発見したとツイッターで報告。メンバーは「最大の山場を無事に乗り越えられた。試料の分析結果がとても楽しみだ」と話した。