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【主張】原発許可取り消し 実態無視の異様な判決だ

 大阪地裁が4日、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の原子炉設置変更許可を取り消した。

 原子力規制委員会の安全審査に過誤があるとして、福井県などの住民が国に対して求めた請求を認めたものだ。

 原子炉の設置許可は、原発存立の根本に関わる事項である。

 国が控訴して当然の前代未聞の判決である。

 判決のポイントは、平成23年の東京電力福島第1原発の過酷事故を踏まえて設置された原子力規制委員会が両機に対して行った耐震性の審査のプロセスに不合理な点があるとしている点だ。

 「規制委の調査審議および判断の過程には、看過しがたい過誤、欠落があるものというべきである」と断じている。

 具体的には、原発の敷地における地震の揺れを推定する計算式の用い方に対してのクレームだ。

 計算式から求められる解は、地震動の平均値であって、それを上回る揺れのばらつきの評価などが必要であるのに、それが欠落した規制委の検討は「審査すべき点を審査していないので違法である」と強い調子で論難している。

 だが、裁判長は原発の安全対策の基礎となる基準地震動の算定に当たって規制委が関電をはじめとする電力会社に求める厳しい要請を軽視していないか。

 規制委は電力会社が提示する断層の長さなどについて、より大きい地震動が推定されるように拡大設定を指示するのが常である。

 揺れのばらつき幅を包含する、さらなる安全重視の姿勢に立った慎重な審査がなされているとみるべきだろう。この現実から目をそらせた判決は問題だ。

 最高裁は平成4年、伊方原発訴訟の上級審判決で安全基準の適合性について「科学的、専門技術的知見に基づく意見を尊重して行う行政側の合理的判断に委ねると解するのが相当である」との見解を示している。

 今回の大阪地裁判決は、原発の安全性そのものではなく、規制委という行政側の判断の瑕疵(かし)の有無に焦点を絞ったものだが、最高裁の考えの恣意(しい)的な否定と言わざるを得ない。

 近年の原発訴訟からは「司法リスク」という言葉が生まれている。原発の活用に当たって国が明確な姿勢を示すことが必要だ。

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