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脂がのった名残の味 晩秋の「戻りガツオ」

たれをつけずにカツオのうまみを存分に楽しむ「藁(わら)焼きカツオの塩たたき」(1950円、税込み)。炎にかざし、かたい皮とやわらかい身で火の入れ具合を変えながらまんべんなくあぶる(酒巻俊介撮影)=東京・銀座「おきゃく」
たれをつけずにカツオのうまみを存分に楽しむ「藁(わら)焼きカツオの塩たたき」(1950円、税込み)。炎にかざし、かたい皮とやわらかい身で火の入れ具合を変えながらまんべんなくあぶる(酒巻俊介撮影)=東京・銀座「おきゃく」
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 秋の味覚「戻りガツオ」のシーズンが終盤を迎えた。さっぱりとした初ガツオとは対照的な、脂がのった濃厚な味わいに魅力がある。名残の味を求めて、銀座に足を運んだ。

(榊聡美)

わらの炎であぶる

 厨房の隅に真っ赤な炎が高々と上がる。焼き網にのせたカツオを炎の先にかざしながら、表面を豪快にあぶっていく-。

 東京・銀座にある高知県のアンテナショップ内のレストラン「おきゃく」にはこの時季、わら焼きしたカツオのたたきを目当てに訪れる人が後を絶たない。

 「一番火力が強い所を探しながら、皮から焼いていくんです。指先で触って弾力を確かめると、火の入り具合がわかります」と、あぶるコツを山下裕司料理長(63)が教えてくれた。

 わらは少量の油分を含み、燃やすと炎の温度は600~800度に達する。この強い火力で表面だけ薄く火を通し、中は完全な生の状態に仕上げる。あぶりたてを分厚く切ると、深みのある赤色の身が現れた。

 「駆け出しの頃は、『げたの歯くらいの厚さが一番おいしい』と教わったものです」

トロにも負けない

 塩たたきを、生ニンニクのスライスをのせていただく。まとわりつくような、ねっとりとした食感。濃厚なうまみの後から、わらの薫香が追いかけてくる。

 カツオは年に2回、旬がある。春から初夏に群れをなして太平洋を黒潮にのって北上するときに獲れる初ガツオ。栄養を蓄えて秋に南下するのが戻りガツオだ。脂ののりに大きな差がある。日本食品標準成分表平成27年版(七訂)で比較すると、100グラム当たりの脂質は初ガツオが0・5グラム、戻りガツオは6・2グラム。中にはマグロのトロに負けず劣らずな「トロガツオ」の異名を取るものも。

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