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専門家「強い対策を」 目立つ政府との足並みの乱れ

新型コロナウイルス感染症対策分科会であいさつする西村康稔経済再生相(前列左から2人目)=20日午後、東京都千代田区(飯田英男撮影)
新型コロナウイルス感染症対策分科会であいさつする西村康稔経済再生相(前列左から2人目)=20日午後、東京都千代田区(飯田英男撮影)

 政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会は20日夜の会合で需要喚起策「Go To キャンペーン」の運用見直しを求める提言をまとめるなど、政府に対応を迫る格好となった。社会経済活動を制限することに慎重な政府と感染症の専門家らとの間では足並みの乱れが目立っていた。21日からは3連休で、人の移動が予想される年末年始の休みも約1カ月後。関係者が一体となって対策を講じることが急務となっている。(坂井広志)

 「人々の健康のための政府の英断を心からお願い申し上げる。人々が安心して年末を迎えられるよう、強い対策を早急に実施していただきたい」

 提言にはこんな強い文言が盛り込まれた。分科会後、メンバーの平井伸治鳥取県知事は、厳しい内容となったことに対し「非常に残念なことだ。苦渋の選択を分科会としても述べざるを得なくなった」とやむにやまれぬ対応だったことを明かした。

 分科会はこれまで、政府側の意向を踏まえ、経済活動にブレーキをかける提言を出すことに躊躇(ちゅうちょ)していたフシがある。だが、今日の状況を迎え、多くの専門家らは「第3波」の勢いに脅威を覚えている。

 そのうちの一人、国立感染症研究所の鈴木基・感染症疫学センター長は「今の流行はクラスター(感染者集団)をたたいても追いつかない。飲み会は避けてほしい。長距離の移動も制限する必要がある。第2波のときよりも強い対策をとるべきだ」と語っていた。

 日本医師会の釜萢(かまやち)敏常任理事は分科会後、記者団に「このままの状態を維持すると感染拡大を抑えられないどころか、医療の提供が継続できなくなる。今が転換の時期だ」と述べた。

 足並みの乱れは政府と専門家の間だけではない。国民に蔓延(まんえん)する「気の緩み」は制御できない状況となり、政府や専門家はリスクコミュニケーションに苦慮。今回「これまでの警告メッセージが人々に十分伝わっていない」と悲鳴にも似た文言も記された。

 医療関係者によると、体調が悪くて医療機関を受診した人に対し、医師がPCR検査をする必要があると判断しても、検査に同意しない人が増えているという。陽性だった場合、行動を制限されるからだ。同意しない人が増えれば、感染経路不明の割合も増える。

 提言には「人々の心に届くメッセージを期待したい」とも書き込まれた。バトンは政府に手渡された。

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