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輝く葺石、赤い埴輪…300年守られた美観 ウワナベ古墳

周濠の水面より低い調査区で見つかった後円部すその葺き石。調査員が示す付近から見つかった壺片から、築造当時の状態で8~9世紀まで管理されていた可能性が高まった=奈良市のウワナベ古墳
周濠の水面より低い調査区で見つかった後円部すその葺き石。調査員が示す付近から見つかった壺片から、築造当時の状態で8~9世紀まで管理されていた可能性が高まった=奈良市のウワナベ古墳
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 宮内庁、奈良県立橿原考古学研究所、奈良市埋蔵文化財センターの3者が発掘調査を実施し、全長が270~280メートル規模となることが判明した奈良市のウワナベ古墳。満々と水を湛える周濠(しゅうごう)の底も調査の光が当たり、5世紀前半の築造から奈良時代まで約300年にわたり、墳丘が築造当初の美しい状態で管理されていた可能性が高いことが分かった。

 今回、橿考研と市埋文センターが周濠の底を掘り下げた調査を行い、後円部の端から立ち上がる葺石(ふきいし)を確認。葺石の間に突き刺さるような状態で出土した8~9世紀の須恵器の壺片から、奈良時代~平安初期までは空堀(からぼり)で、葺石は露出した状態のままだったことが初めて分かった。

 調査した市埋文センターの村瀬陸主事は「自然の状態に委ねると墳丘には土が堆積するので、人為的に管理されていた可能性が高い」と話す。

 墳丘は周濠の水によってかなり削られていたが、宮内庁が保存修復を見据えて調査したところ、築造当時の円筒埴輪(はにわ)列や葺石が出土。現在は樹木に覆われているが、築造当時は墳丘全体を覆う葺石が白く輝き、赤く塗られた円筒埴輪が墳丘上をぐるりと巡っていた。その状態が、奈良時代まで維持されていた可能性も浮上した。

 視察した元橿考研調査課長の今尾文昭さんは「古墳の造営が最もしっかり行われた時代の古墳で、さすが丁寧に造られている」と感心していた。

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