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日中植林事業、4年超実施されず 外務省拠出の57億円未活用

 外務省が日中交流活動の窓口となっている公益財団法人「日中友好会館」に平成28年、中国などでの植林事業のために57億6千万円を拠出しながら、4年以上も事業が実施されていなかったことが10日、会計検査院の調べで分かった。外務省は検査院の指摘を受け、不要な拠出金を国庫に返納させることを決めた。

 検査院によると、外務省は中国から飛来する黄砂などの環境問題に対処するため、日中友好会館を主体に、中国国内や東南アジアなど第三国での植林事業を計画。日中両国の青少年交流事業と合わせ、28年3月に拠出金として計90億円を会館に支出した。

 このうち、32億4千万円を充てた青少年交流事業は行われていたが、中国での植林事業(計画額35億1千万円)と第三国での植林事業(同22億5千万円)は全く実施されず、57億円以上が活用されていなかった。日中両国があらかじめ資金を共同拠出して実施する方向で協議していたが、文書などによる明確な合意のない段階で外務省が拠出金を出すと決めてしまい、その後も協議に進展がなかったのが原因という。

 各省庁が補助金や拠出金を法人に交付して基金を設けた場合の政府の指導監督基準では、基金の事業実績が3年以上ないケースでは国庫返納などを検討することが求められる。また、基金事業は点検シートを毎年度作成するなど厳格にチェックしなければならないが、外務省では拠出金を点検の対象外と考えていた。

 外務省は今年7月、拠出金が4年以上も未活用の状況は適切でないと検査院から指摘を受け、中国側と改めて協議。個々の植林事業ごとに日中両国が資金を負担し合う方式に変更し、実施することが決まったという。一方で会館側に事業内容を見直させ、使用する見通しのない拠出金は国庫に返納させることにした。

 外務省は「指摘を踏まえ、適切に対応していきたい」とコメントしている。

■日中友好会館 日中友好協会や日中友好議員連盟など日中友好7団体の一つで、東京都文京区に所在する公益財団法人。日中両国の民間交流拠点として、中国人留学生の宿舎運営や日中の青少年交流、中国人に日本語を教える日中学院などの事業を展開する。会長は現在空席で、会長代行は宮本雄二元駐中国大使。

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