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女子選手の性的画像ネット拡散 防止へ「盗撮罪」創設も浮上

 女性アスリートが競技会場で性的な目的で撮影されたり、わいせつな加工が施された画像が拡散されたりする被害が相次ぎ、日本オリンピック委員会(JOC)が本格的な被害防止対策に乗り出した。会員制交流サイト(SNS)の普及で、トップ選手だけでなく中高生にまで悪質な被害が拡大。これまで転載が容易なネット上での取り締まりは限界状態にあったが、「名誉毀損(きそん)罪や侮辱罪に当たる可能性がある」として法的整備を行うべきとの声も出始めた。(大渡美咲、石原颯)

■20年以上前から横行

 女子選手のネット被害はもう20年以上前から横行してきた。「後ろから撮られた写真をインターネット掲示板や週刊誌に載せられたことを周りから教えてもらって知った」と話すのは、陸上女子100メートル障害の日本記録保持者、寺田明日香選手(30)だ。

 寺田選手が高校生くらいのころにも女子選手をわいせつ目的で撮影する問題はあったという。平成17年ごろには、身体の一部をズームしたDVDなどが売買され、これを重く見た日本学生陸上競技連合が会場に「盗撮」禁止を呼びかけるポスターや看板を設置した経緯がある。

 寺田選手は今も後輩の選手から相談を受けることがあるといい、「若い選手の中にはショックを受けたり、心の傷として残る子もいると思う」と話す。

 さらに、「技術の進化で簡単に写真を撮ったり手に入れたりできる状況に法律が追いついてない。スポーツを一生懸命やっている選手が嫌な思いをしないで競技に取り組めるようにしてほしい」と強く要望する。

■対策にも「限界ある」

 競技団体もただ手をこまねいてきたわけではない。日本陸上競技連盟では性的な目的での撮影を防ごうと、地道に対策に取り組んできた。100メートル走や100メートル障害などでは、スタート位置の後方エリアの観客席を撮影禁止に指定したり、会場に持ち込むカメラを登録制にしたりもした。

 さらに、衣服の上から赤外線カメラで狙う撮影者から女子選手を守るため、スポーツ用品メーカーに依頼し、透過を防ぐ特殊な素材のインナーも開発した。

 しかし、日本陸連の風間明事務局長は対策には「限界がある」とも漏らす。役員らが巡回して不審な写真を撮影している人に声をかけ、画像を消去してもらうなどの取り組みをしているが、「それ以上のことをすると逆に訴えられかねない」。報道目的で撮影された画像をわいせつに加工されたり、SNS上で性的な言葉を掲載されたりするケースもあるという。

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