PR

ライフ ライフ

【朝晴れエッセー】見つめ合う秋・10月25日

 夜、私はおにぎりと見つめ合う。

 ご飯は炊きたてがおいしいから、食べる分だけを炊くのが理想だ。でも、足りなくなると困るので、多めにご飯を炊いて、余りを冷凍している。

 熱いままでは冷凍できないので、保存ケースにご飯を入れて冷ますが、その際に保存ケースにも入らない中途半端な量のご飯が余る。そのご飯にふりかけを混ぜて、おにぎりを作るようになった。

 このおにぎりを食卓で冷ましていると、すごく私を見つめてくる。腹八分ではなく、満腹になるまで晩ごはんを食べているので、食べてはいけないことは分かっているが、おにぎりといつの間にか見つめ合って、食べてしまう。

 そのおにぎりのおいしいこと。食べるとちょっとした罪悪感から、共犯者を探そうと、娘にもおにぎりを勧めてみるが、体重を気にしているから、なかなか食べない。

 でも、しばらく娘の前におにぎりを置いておくと、娘もおにぎりの魅惑的な視線に負けて、おにぎりを食べてしまう。

 私も、子供の頃、食後に母からおにぎりを勧められて、食べていた。満腹にも関わらずそれはそれはおいしいおにぎりだった。母も共犯者を探していたのかもしれない。

 この頃は、わざと保存ケースに入れるご飯の量を減らして、おにぎりをたくさん作ってしまっている。

 今もエッセーを書く私に、おにぎりは熱い視線を送ってくる。

森部依子(46) 大阪府寝屋川市

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ