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【都民の消防官】(4)北多摩西部署消防士長 諏佐政則さん(58) 火急の現場も平常心、「好き」が力に

操縦台からはしご車の安全を確認する、北多摩西部署の諏佐政則消防士長=東大和市
操縦台からはしご車の安全を確認する、北多摩西部署の諏佐政則消防士長=東大和市

 子供のころから、油圧ショベルなど作業車の機構を観察しては面白がる機械好きだった。「どんな風に動いているんだろう」。入庁後、はしご車が傾斜した路面に駐車しているのに、はしごの先端のバスケットは水平を保っているのを見て興味がわき、はしご車を自在に操る機関員を志した。

 ビルやマンションなど、高所での消火や救助活動に不可欠なはしご車。国産車では、最大19メートルの長さまではしごを伸ばすことができる。だが、それは土台となるはしご車が、転倒防止の足場を十分に張り出せるスペースを確保していることが大前提だ。

 「はしご車をとめる位置がタイヤ1本分ずれても、安全にはしごを伸ばせる距離は縮まってしまう」。一刻一秒を争う火急の現場でも、はしご車が近づける限界を迅速に見極めるのがベテランの腕の見せ所。「たとえ30センチの隙間であっても、バスケットに乗り移る人の恐怖感は全く違う」と繊細な操作を心がける。

 確実な救助活動を行うには、はしご車の側面にある操縦台ではしごを操る機関員と、バスケットに乗り込む隊員の連携も欠かせない。有線マイクで安全帯の装着などを逐一確認し、早く避難しようと焦る要救助者に危険がないか状況を把握する。「こちらも焦って無理をすると、バスケットが大きく揺れてしまい、資機材などの落下事故にもつながる」と平常心を忘れない。

 近年は建物の周囲に庭があるタイプのマンションが増え、はしご車を真横につけて活動することが困難なケースもある。「はしご車を操作できるのは機関員だけで、現場では孤独を感じることもある。操作の知識だけでなく、車両を好きになってその仕組みを知ることが、トラブルの時にも対応できる力になる」と後輩たちにエールを送った。

(村嶋和樹、写真も)

【プロフィル】諏佐政則(すさ・まさのり)新潟県出身。昭和57年、東京消防庁入庁。中野署、小金井署などを経て、平成25年から現職。妻の美知子さんと2人暮らし。根っからのアウトドア派で、若いころは川釣りやスキーに熱中。現在は家族で泊まりがけのキャンプを楽しんでいる。

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