PR

ライフ ライフ

セイタカアワダチソウを食べる牛たち 耕作放棄地に「希望の放牧」

 視察での質疑で、瀬尾さんは農地への復元について「牛が雑草をある程度食べた後、トラクターで耕せば、きれいな畑になる」と説明。中山間地での放牧の意義についても「できれば平地がよいが、牛の飲み水のため自動給水システムが必要になる。傾斜地なら地面から水が湧き出てくるため、水の心配がない点は楽ですね」と語った。

「海自魂」で復旧

 瀬尾さんは茂木町に隣接する那須烏山(なすからすやま)市の出身。海上自衛隊で護衛艦の機関長などを務め、平成14年に早期退職して妻の実家の山林を受け継いだ。林業を模索したものの、どう計算しても経営が成り立たず、兄が酪農をしていたことから和牛の繁殖を目指した。

 18年からは耕作放棄地を借りての放牧を始め、現在は8・1ヘクタールの放牧場などで繁殖和牛36頭、子牛19頭を飼う。これだけの作業を妻、恵子さん(65)と2人だけで担う。

 昨年10月の台風19号では目の前の那珂川の堤防が崩れ、放牧場に濁流が押し寄せて23頭が流された。茨城県までバイクで探し回り17頭救助したものの、残りは行方知れず。施設も全壊したが、不屈の精神で復旧、5月に放牧を再開した。

 視察で訪れた、中山間地にある元棚田の放牧場。土の道の両側ではセイタカアワダチソウが背丈を競い、車のバックミラーに黄色い花がからみつく。

 白い軽トラックを操る瀬尾さんに、ここに牛を放したら、食べてくれるか尋ねると、明るい声で答えた。

 「もちろん、食べちゃう。それに、セイタカアワダチソウは意外と栄養価があるんだよ」

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ