PR

ライフ ライフ

【朝晴れエッセー】9月月間賞 遥かな東京 竹田健次さん

 門井 書き出しが僕の好きなタイプですね。ほっこりするエピソードもいいですが、説明が非常に丁寧です。「現実は悲しい」「老いたのである」「小さな傘の5倍はする値段」。非常に的確と思います。

 山田 セリフが効いてます。「おばちゃん金持ちやろうけど、私も金持ちやねん」という言いっぷりがかっこいいですね。

 門井 標準語なら嫌みに聞こえそうです。

 玉岡 大阪弁ならではですね。

 山田 「新聞配達」はどうですか。

 玉岡 昭和が垣間見えて印象に残りました。ラストは切れ味のよさで終わるような潔いよいエッセーの書き方を課題においてもらえたら。

 山田 「双子」はどうでしたか。

 玉岡 双子の人は少ないので、双子の悩みというネタが新鮮に感じました。

 門井 精いっぱい書いていますね。

 山田 今回はセミをテーマにした作品が3本ありました。「ヒグラシと母」、「晩夏の蝉(せみ)」「旧盆の出来事」です。

 玉岡 セミは日本人の夏にとって切っても切れないモチーフなんでしょうね。「ヒグラシと母」を優秀作としましたが、トンネルの向こうで逆光を背景にしてやって来るお母さん。情景が浮かんでいいネタだと思いました。

 山田 事故を知らせようとしたのか、鳴かなかったヒグラシが神秘的ですね。

 門井 杉林のトンネルという情景はいいですね。母よりも印象に残ったぐらいです。

 玉岡 「旧盆の出来事」は、部屋の網戸に止まったセミに、亡くなったお父さんを重ね合わせたという表現は、はっとするものがありました。お盆に読むと共感される人は多かったのではないでしょうか。

 山田 そろそろ月間賞を決めたいと思いますが、今までのところ「遥かな東京」が強いでしょうか。

 玉岡 よろしいかと思います。

 門井 僕も異存ありません。

 山田 では月間賞に決めましょう。次回もお会いして選考できればいいですね。

続きを読む

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ