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【編集者のおすすめ】『崩れる脳を抱きしめて』知念実希人著 謎と衝撃と驚愕がある

『崩れる脳を抱きしめて』知念実希人著
『崩れる脳を抱きしめて』知念実希人著

 「僕にしか書けない恋愛小説です」

 現役医師でもある作家の知念実希人さんが自らそう語ったのが本作です。

 広島から神奈川の病院に実習に来た研修医の碓氷(うすい)は、脳腫瘍を患う女性ユカリと出会う。外の世界におびえるユカリと、過去にさいなまれる碓氷。心に傷をもつふたりは次第に心を通わせていく-。実習を終え広島に帰った碓氷に、ユカリの死の知らせが届く。彼女は死んだのか? 幻だったのか? ユカリの足跡を追い、碓氷は横浜を彷徨(さまよ)う。ラスト、明かされる衝撃の真実とは?

 本作を皮切りに、2018年、19年、20年本屋大賞連続ノミネート達成。現在、4年連続ノミネートの偉業が期待されています。また、本作は第8回広島本大賞、第4回沖縄書店大賞、ブックスキヨスク・ブックスタジオのバイヤーが選んだ第1回一気読み大賞を受賞。知念さんは現場の書店員さんが応援したくなる作家さんでもあります。

 その秘密は、すべての作品に通じる、温かさ、医師ならではの生に対するリスペクト、そして、どの作品も純粋に面白く、エンターテインメント性に富んでいるからです。本作は著者にとって記念碑的作品であると同時に、最高到達点ともいえる一冊。単純な恋愛小説ではなく、謎と衝撃と驚愕(きょうがく)がある、知念さんならではのミステリーに仕上がっているのです。

 最注目作家・知念実希人さんの作品を読むなら、これは外せません。(実業之日本社文庫・700円+税)

 実業之日本社文芸出版部 阿部雅彦

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