PR

ライフ ライフ

途上国債務問題、先進国と中国のつばぜり合い続く

G20財務相・中央銀行総裁会議の途中、取材に応じる麻生財務相=14日、財務省
G20財務相・中央銀行総裁会議の途中、取材に応じる麻生財務相=14日、財務省

 14日夜に行われた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では、新型コロナウイルスで経済が悪化している発展途上国の公的債務の返済猶予をめぐる先進7カ国(G7)と中国のつばぜり合いも浮かび上がった。一部公的機関を民間金融機関に分類し、返済猶予の枠外として「負担逃れ」を図る中国に対し、G7は途上国向け債権を持つ民間金融機関も返済猶予に参加する仕組みを模索したが、共同声明では民間金融機関の参加までは義務付けられなかった。危機回避に必要なG7と中国の協調体制構築の難しさが改めて裏付けられた形となった。

 「(債務問題は)透明性がはっきりしないとできない」。麻生太郎財務相は会議出席後の会見で中国を念頭にこう指摘した。

 焦点となったのは国内外のインフラ案件などに貸し付ける中国の政府系金融機関「国家開発銀行」だ。中国は同行を民間金融機関に分類し、G7の公的機関が支払いを猶予した債務が、中国の民間金融機関への返済に流れる「抜け道」を模索。これに対し、G7は返済猶予に公的機関だけでなく、民間金融機関も同等に参加することで「抜け道」を使えなくすることを検討したが、声明では「民間債権者の(返済猶予への)参加の欠如に失望。要請があった場合、参加することを強く奨励する」との表現にとどまった。

 財務省幹部は「民間金融機関の自発的な参加を期待したが、実際には参加していない。公的機関が返済を猶予しても浮いた分で、民間に返すとなれば全然実効性がない」と強調する。

 中国は途上国への多額の融資で影響力を拡大してきたが、各金融機関がさまざまな形で融資をしており、保有する債権の全体像は不明な点も多い。返済猶予には、保有する債権情報を明らかにする必要もあり、中国の途上国向け融資の問題点があぶりだされる可能性もある。

 返済猶予の「抜け道」をふさがれなければ、コロナ禍で増大する途上国の公的債務の救済措置の実効性は担保されない。途上国のリスクが高まれば、現在は返済猶予の対象外だが債務残高が多い、トルコやブラジル、インドなどの新興国に問題が波及し、世界的な債務危機にもつながりかない。中国にはG7と協調し、誠実に危機に対処することが求められている。(永田岳彦)

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ